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緻密化するミドルプレスを支える「プレッシング・トリガー」

2020.10.30

移り変わる戦術トレンド:ミドルプレスの洗練

ビルドアップの進化への対抗策として前線からのプレスがスタンダードになっていったが、今シーズンの傾向としてはいわゆる「無茶プレス」が減り、嵌め方がより緻密になってきている。特に、中盤に守備ブロックを作って守るミドルプレスの精度が上がっており、その戦術的な鍵になっているのが、チームとして狙いに行くシチュエーションを定める「プレッシング・トリガー」だ。その具体例を結城康平氏に解説してもらおう。

 ユルゲン・クロップが破竹の勢いでCLを勝ち抜き、「新たな戦術的トレンドを担う男」として称賛された数シーズン前と比べると、ゲーゲンプレッシングという流行も収束に近づいているように思われる。

 あくまでも主流としてのポゼッション主義に対抗する文脈でフットボールの世界に現れた「ハイプレス戦術の信奉者」は、相手クラブがその対策を用意する状況ではリスクと隣り合わせの特攻になってしまう。だからこそリバプールは、ボール保持の要素をチームに導入し、RBライプツィヒはユリアン・ナーゲルスマンに斬新なアイディアを求めていく。ボルシアMGに就任したマルコ・ローゼも相棒レネ・マリッチの助力を得て、新たなスタイルを探求。それぞれに「ゲーゲンプレッシングの先」を求める彼らは、現状に満足することなく歩みを進めている。フルスロットルで前線からのプレッシングを継続するチームは「ラングニック派閥」でもむしろ希少種となりつつあり、多くは効率化に舵を切っている。……

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プレッシング・トリガー戦術

Profile

結城 康平

1990年生まれ、宮崎県出身。ライターとして複数の媒体に記事を寄稿しつつ、サッカー観戦を面白くするためのアイディアを練りながら日々を過ごしている。好きなバンドは、エジンバラ出身のBlue Rose Code。

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