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2021地域CLレポート①クリアソン新宿が証明した「サバイブする力」

2021.11.17

11月12~14日の3日間、三重、岩手、広島の3カ所で「地域サッカーチャンピオンズリーグ」の1次ラウンドが開催された。中0日という文字通りの3連戦で、JFL参入を目指す戦いが繰り広げられる「最も過酷な昇格争い」。現地取材しているジェイ氏が注目クラブの戦いぶりをレポートする。第1回で取り上げるのは、怒涛の11連勝で関東1部を制したクリアソン新宿だ。

 東京23区からJリーグを、ひいては世界一のサッカークラブを目指しているクリアソン新宿。クラブは現在、Jリーグ参入を目指すうえで避けて通れない最初の関門、高く狭き門である「地域サッカーチャンピオンズリーグ(以下、地域CL)」に初挑戦している。今回はその1次ラウンドの模様をレポートする。

 この「地域CL」とはどんな大会なのか、少々説明が必要だろう。

 日本のサッカーピラミッドを上から見ていくと、頂点であるJリーグがJ1からJ3までで構成されており、J3と同格の位置にアマチュア最高峰の全国リーグであるJFL(日本サッカーリーグ)が存在する。先日フットボリスタWEBで紹介されたいわきFCは、このJFLで「4位以内」「百年構想クラブの上位2位以内」を確定させたことでで来季のJ3参入がほぼ確実な状況になっている。

 「地域CL」はそのJFLへの昇格(入会)を懸け、全国を9ブロックに分けた各地域の王者(プラス3チーム。条件が複雑なためここでは割愛)が挑む戦い。舞台を全国へと移すための試練の場だ。

 その特徴は何といってもスケジュールにある。出場12チームを3グループに分け、総当たり戦で1次ラウンドが行われるのだが、開催期間はなんと、わずか3日間。集中開催方式にて、中0日の3連戦という過酷さだ。

 フットボーラーであり会社員でもある社会人選手たちは、金・土・日と厳しい試合を戦い抜き、3試合が終わればすぐにとんぼ返りして月曜日から仕事に出る。あまりの過密日程ぶりや一戦の重みから「最も過酷な昇格争い」とも呼ばれるこの大会。日程の見直しやその議論は課題となっているが、ともかく今年もそうした過酷な戦いが開催され、クリアソンは初めてそれに臨んだわけだ。

対バレイン下関(〇4-1):米原が感じた「運命」

 クリアソンが振り分けられたグループBは岩手県、いわてグルージャ盛岡が本拠地とするいわぎんスタジアムが会場となった。

 ライバルは、おこしやす京都、コバルトーレ女川、バレイン下関の3チーム。盛岡市は週中から天気が崩れており、20℃近くあった最高気温も木曜日から急激に下がっていた。当日の気温はおよそ11℃。雨風も叩きつけて厳しい寒さを感じる中で第1日目が行われた。

 クリアソンのスタメンには元Jリーガーがずらりと並ぶ。GKは19年まで浦和に所属していた岩舘直。最終ラインにも米原祐、小林祐三、井筒陸也など「前所属チーム」にJクラブの名前が載っていない選手のほうが稀だ。基本システムは[3-4-2-1]だが、右シャドーの森村はやや位置取りが低く、3ボランチの[3-5-2]のようにも見える。

 選手のネームバリューもあり、体格的にも4チーム内で優位にあるクリアソン。過酷な関東1部リーグを11連勝で駆け抜けたこともあって初出場ながら実力上位と見なされており、プレッシャーもあるだろう。初戦の相手、バレイン下関はグループ内で最も体格的に劣り、今大会が初挑戦とのちに当たる2チームよりも下馬評は低い。ただでさえ3試合しかないリーグ戦、勝利がマストだ。

 「3連戦というよりも、初出場なのでチャレンジャー精神でやっていこうと、1試合目に向けて皆で準備してきた」

 試合後に成山一郎監督がそう語ったように、多少の硬さは見られながらもスタイルを押し出していったクリアソンが試合を優位に進めていく。クリアソンのサッカーがどういうものか、私も今回初めて現地で見たわけだが、一言で言うと「とにかく前向き」である。

 「リーグの中では上手いチームや強いチームではない。やれることを一生懸命、一丸となってやれるというところが自分たちの強み。サッカーのスタイルどうのこうの前に、共通認識だったり一緒に戦うところをどれだけ深めて試合に挑めるかが一番大事なところだとチーム全員が思ってやっている」

 昨年のインタビューで岩舘がそう語っていたが、確かにその通りのサッカーが展開されていた。決して華麗なパスワークや流動的なポジションチェンジなどを備えているわけではない。ただ愚直に、しっかりとボールを蹴り、相手と競り合い、最後まで走り切る。常に全力。ひたむきで前向きなサッカーだ。……

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おこしやす京都ACクリアソン新宿コバルトーレ女川バレイン下関地域CL戦術

Profile

ジェイ

1980年生まれ、山口県出身。2019年10月よりアイキャンフライしてフリーランスという名の無職となるが、気が付けばサッカー新聞『エル・ゴラッソ』浦和担当に。footballistaには2018年6月より不定期寄稿。心のクラブはレノファ山口、リーズ・ユナイテッド、アイルランド代表。

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