23歳のニューカマーが、横浜F・マリノスの右サイドバックとして存在感を高めている。井上太聖。プロ2年目。ルーキーイヤーだった昨季はサガン鳥栖でJ2リーグ全試合に出場し、大きな注目を集めると、今シーズンはトリコロールに身を投じ、開幕からスタメンを確保。J1の舞台で躍動中だ。そんな2026年のブレイク候補の今を、本人の言葉であぶり出す。
突き付けられている。自分に足りないものを。思い知らされている。このレベルで戦うことの意味を。だからこそ、この先の未来が楽しみな気持ちも湧き上がってきた。だって、まだまだできないことが山ほどあるということは、これからいくらでも成長する余地が残されているということだから。
「本当に足りないところだらけだなとは、自分でも思っていますね。まだまだ足りないことが多すぎて、『とにかく悔しいな』という気持ちと、でも、『まだまだ成長できることが楽しみだな』という気持ちの、両方が今は自分の中にあります」
J1初挑戦のシーズンに身を投じている、横浜F・マリノスに加わった期待の右サイドバック。着々と、地道に、自身の戦うステージを掴み取り続けてきた井上太聖が携えている覚悟は、揺るがない。

失点シーンの詳細を相手の“得点者”に自ら聞く成長への意欲
「守備の部分で難しい試合になってしまったと思います」。井上は終わったばかりの試合を、そう振り返る。明治安田J1百年構想リーグEASTグループ第5節。舞台は5万人を超える観衆を集めたMUFGスタジアム。FC東京と対峙した横浜FMのアウェイゲームは、わずか開始33秒の失点で幕を開ける。
右サイドバックに入った井上とマッチアップするのは、日本代表にも招集されている佐藤龍之介。昨シーズンは期限付き移籍先のファジアーノ岡山でブレイクを果たし、将来を嘱望されている俊英だ。10分。佐藤がスムーズなトラップから縦突破を図るも、スピード勝負に負けなかった井上は確実にボールカット。持ち味をきっちりと披露する。
だが、一瞬の隙を突かれたのは16分だった。再び右サイドで繰り広げられた1対1のデュエル。ドリブルで向かってくる佐藤へ丁寧に対応していたものの、カットインからのシュートは足を伸ばした井上の股下を抜け、ゴールネットへ到達する。
実は試合の合間を見て、23歳は19歳へゴールシーンについて質問していたという。「『あそこは結構得意な形だし、あのドリブルのコースだったら股も空くと思っていた』と言っていたので、年下の選手でも代表に入るぐらいの選手というのは、こういう1本を仕留めてくるなと感じました。もちろん悔しいですけど、成長する糧にしたいと思っています」。気になったことは、ちゃんと自分で消化しておきたい。そんなマインドにも飽くなき成長欲が滲む。
カットインから股抜き👀
佐藤龍之介のゴールでFC東京追加点!🎦 ゴール動画
🏆 明治安田J1百年構想リーグ 地域リーグラウンド 第5節
🆚 FC東京vs横浜FM
🔢 2-0
⌚️ 16分
⚽️ 佐藤 龍之介(FC東京)#Jリーグ pic.twitter.com/NXA27Kot7P— Jリーグ(日本プロサッカーリーグ) (@J_League) March 7, 2026
横浜FMは後半開始早々にも3失点目を献上すると、肩を痛めた角田涼太朗が58分にベンチへ下がり、井上はセンターバックにスライド。後半開始から投入された諏訪間幸成とコンビを組み、マルセロ・ヒアンと順天堂大時代の先輩でもある長倉幹樹という、J1屈指の強力2トップと向かい合う。
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Profile
土屋 雅史
1979年8月18日生まれ。群馬県出身。群馬県立高崎高校3年時には全国総体でベスト8に入り、大会優秀選手に選出。2003年に株式会社ジェイ・スカイ・スポーツ(現ジェイ・スポーツ)へ入社。学生時代からヘビーな視聴者だった「Foot!」ではAD、ディレクター、プロデューサーとすべてを経験。2021年からフリーランスとして活動中。昔は現場、TV中継含めて年間1000試合ぐらい見ていたこともありました。サッカー大好き!
