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小林体制3年間で築いたジェフ千葉の「自分たちのサッカー」はJ1で通用するのか?

2026.01.27

小林慶行監督体制の過去3年間で「自分たちのサッカー」を磨き上げ、17年ぶりのJ1の舞台に挑むジェフユナイテッド市原・千葉。果たして、ハイプレスとボール保持を組み合わせた「強者のサッカー」はJ1で通用するのか? 千葉の動向と世界のサッカートレンドを同時に追ってきた西部謙司氏に意見を聞いてみた。

ファンが喜ぶ「面白いサッカー」とは何か?

 ジェフユナイテッド千葉のJ1への挑戦が始まる。本当に長い間J1はご無沙汰であったので、J1クラブのファンには千葉がどんなサッカーをやるのか知らない人も多いかもしれない。

 千葉のサッカーには魅力がある。贔屓目ではない。フクダ電子アリーナに集まる人々の数は右肩上がり。2025年は新スタジアムで話題だった長崎に並ぶJ2トップクラスの観客動員を記録したのが何よりの証だ。

 2022年の平均観客数は5775人。小林慶行監督体制になって3年目の2025年は1万5549人。22年はまだコロナ禍の影響も残っていたとはいえ、めざましい伸び方である。もともとアクセスの良いスタジアムではあったが新装したわけでもなく、プレー内容が人々を引き寄せたと考えられる。

 小林監督はよく「自分たちのサッカー」と言っていた。

 それぞれのチームにはそれぞれの「自分たちのサッカー」があるわけだが、千葉のプレースタイルはサッカーが好きな人々に訴えかけるものがあった。

 どうプレーするかは勝つための合理性が第一だ。選手の特徴、対戦相手との力関係から、適切な戦い方を選択しなければならない。ただ、それがすべてでもない。人々が見て面白いと感じるかどうかも重要な要素である。なぜならプロサッカーは興行だから。勝つだけではなくファンを増やさなければならない。人々に喜びを提供し、ともに歩んでいこうと思わせるチームを目指すのはクラブチームの使命でもある。

 では、どんなサッカーが「面白い」と感じてもらえるのか。

 どんなサッカーがいいかファンに聞いても、おそらく具体的な回答はないと思う。「勝つサッカー」あたりが大勢を占めるのではないか。これについてはプロであるチーム側が提示すべきなのだが、それ自体は実はそんなに難しくはない。少なくともすでにサッカーが好きな人は、サッカーそのものから魅力を受け取って好きになっているからだ。その点は監督、選手も同じなので、魅力的なサッカー像というのはだいたい決まっている。問題はそれを具現化できるかどうか。

 千葉は3年間で「自分たちのサッカー」をフィールドで示し、ファンはそれを支持して後押ししてきた。まずはJ1の舞台でもそれを継続することになるだろう。

自分たちのサッカー」=強者のサッカーを貫くための条件

 千葉の「自分たちのサッカー」とは、ごく簡単に説明すればハイプレスとボール保持の組み合わせだ。

……

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Profile

西部 謙司

1962年9月27日、東京都生まれ。早稲田大学教育学部卒業後、会社員を経て、学研『ストライカー』の編集部勤務。95~98年にフランスのパリに住み、欧州サッカーを取材。02年にフリーランスとなる。『戦術リストランテV サッカーの解釈を変える最先端の戦術用語』(小社刊)が発売中。

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