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創設者・原野理事が語る東京23の歩み。変化する百年構想クラブのあり方(前編)

2022.03.14

今年2月28日、Jリーグ理事会でコバルトーレ女川(東北1部)、東京23FC(関東1部)、高知ユナイテッドSC(JFL)、沖縄SV(九州)の4クラブが新たに百年構想クラブに認定された。『フットボール風土記』の著者である宇都宮徹壱氏は、ここに「ある変化」を感じたという。あらためて百年構想クラブのあり方を考察する前後編。

前編は、クラブ設立から19年、運営法人を株式会社化して12年、そして明確に将来のJリーグ入りを打ち出して6年という東京23FCの長い道のりを振り返る。

東京23対南葛の対戦が意味するもの

 「先日の南葛SC戦は、非常にモチベーションの高いゲームでした。お互いのホームタウンが隣町。そしてJリーグ百年構想クラブ同士の対戦。認定されたのは向こうが先ですが、関東1部というカテゴリーではこちらが先輩です。それでも、今回はチャレンジャーの気持ちで、この試合に臨みました」

 そう語るのは、東京23FCの理事でシニアマネージャーの原野大輝である。ともに関東リーグ1部に所属する東京23と南葛は、3月6日に行われた天皇杯予選の東京カップ準決勝で対戦。元日本代表3人をスタメンに並べる南葛に対し、東京23は2-1の逆転勝利を収めて決勝進出を果たした。

https://www.instagram.com/p/CayoLkQLfzZ/

 この試合は南葛のビッグネームのみならず、実はもう1つの注目点があった。それは、東京23が百年構想クラブの認定を受けたばかりであること。そして、東京23と南葛のホームタウンが、それぞれ江戸川区と葛飾区という「隣町」であったこと。無理やり例えるならば、アーセナルとトッテナムによるノースロンドンダービーのような構図が、東京23区内において実現したという事実である。

 普段からプレミアリーグに親しんでいるfootballista読者ならば「何を大げさな」と苦笑することだろう。それでも、考えてほしい。ロンドンのフットボールの歴史が150年あるとすれば、東京のそれはたかだか四半世紀。しかも東京のダービーは、これまで調布市の味の素スタジアム限定であった。

 今はまだ、東京23も南葛も関東1部、つまり5部だ(しかも南葛は今季昇格したばかり)。関東リーグで東京のクラブが対戦すること自体、決して珍しいことではないので、それだけで「ダービー」と呼ぶべきではないだろう。ポイントとなるのは、南葛に続いて東京23も、百年構想クラブの認定を受けたこと。つまり数年後、Jリーグにおける「下町ダービー(仮)」の実現に、大きく前進したことになる。

 周知のようにJ1とJ2とJ3には、それぞれライセンスが存在する。そして、その入口に立つためには、百年構想クラブの認定を受けなければならない。2月28日、Jリーグの理事会は、東京23の他に、JFLや地域リーグに所属する3つのクラブを、新たに百年構想クラブに認定した。

 本稿では百年構想クラブのあり方について、今回認定された4つのクラブのプロフィールを交えながら、前後編で考察することとしたい。

Jリーグ百年構想クラブまでの長き道程

 「やっとここまでたどり着いたか──」

 これが百年構想クラブに認定を受けた際の、東京23のサポーターと関係者の偽らざる想いであろう。クラブが誕生したのは2003年。設立から19年にして、ようやくJリーグへの入り口に立つことができたのだから。クラブ創設者でもある原野は語る。……

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Jリーグクリアソン新宿南葛SC文化東京23FC

Profile

宇都宮 徹壱

1966年生まれ。東京出身。東京藝術大学大学院美術研究科修了後、TV制作会社勤務を経て、97年にベオグラードで「写真家宣言」。以後、国内外で「文化としてのフットボール」をカメラで切り取る活動を展開中。旅先でのフットボールと酒をこよなく愛する。2010年『フットボールの犬』(東邦出版)で第20回ミズノスポーツライター賞最優秀賞、2017年『サッカーおくのほそ道』(カンゼン)でサッカー本大賞を受賞。16年より宇都宮徹壱ウェブマガジン(https://www.targma.jp/tetsumaga/)を配信中。

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