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「サイドチェンジ」に見る、川崎フロンターレの戦略的な成長【J1第13節G大阪対川崎クロスレビュー】

2021.05.10

5月7日にフットボリスタ・ラボでは、「マッチレビュアー(せこ×ちくわ)サッカーの見方・書き方・伝え方」というイベントを開催。J1第13節ガンバ大阪対川崎フロンターレに合わせて、二人のマッチレビュアーがそれぞれプレビュー記事を書き、その作成法を共有してディスカッションするイベントだ。

今回はそこで議論されたことを踏まえて、二人にクロスレビューを書いてもらった。まずは川崎視点でせこさんが登場!

 開幕14戦無敗の川崎フロンターレ。ボールを保持しつつ支配的なサッカーで序盤から順調に勝利を積み重ねる昨季の王者である。それに対して、ボールを保持したいもののどうやってボールを取り上げるか、もしくはボールを持たずに頑張るのか、から戦略を考えないといけないガンバ大阪の一戦だ。

 よって、試合のテンポを決めるのはG大阪の非保持におけるスタンス。ボールを取り上げに行くのか、それともボールを持たれる状態を受け入れるのかである。この日のG大阪の選択は後者。1トップのレアンドロ・ペレイラは川崎のアンカーであるシミッチの監視をしつつ、隙あらば川崎の最終ラインにプレッシャーをかけに行く。シミッチとべったりとデートをしているというほどではないが、最終ラインにプレッシャーをかけに行くよりも出しどころを消しに行くことで、コンパクトさを重視したブロック守備を敷く。

サイド攻略の2つの条件。不可能ならサイドチェンジ

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川崎フロンターレ戦術

Profile

せこ

野球部だった高校時代の2006年、ドイツW杯をきっかけにサッカーにハマる。たまたま目についたアンリがきっかけでそのままアーセナルファンに。その後、川崎フロンターレサポーターの友人の誘いがきっかけで、2012年前後からJリーグも見るように。2018年より趣味でアーセナル、川崎フロンターレを中心にJリーグと欧州サッカーのマッチレビューを書く。サッカーと同じくらい乃木坂46を愛している。

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