
26勝5分3敗という圧倒的な強さで2020シーズンの明治安田生命J1リーグを制した川崎フロンターレ(以下、川崎)。昨シーズンの戦術的な変遷を振り返りつつ、新戦力が加わった2021シーズンの進化を予測してもらった。
川崎フロンターレの新シーズンの展望をする前に、昨シーズンの戦い方を振り返りたい。2020年の川崎は年間で安定して勝ち点を得ていたが、その一方で戦い方は細かな調整が入りながら時期ごとに変わっていった印象だ。
「広がる攻撃」に始まり、最後は「中盤空洞化」
シーズン開幕当初は[4-3-3]でピッチを広く使いながら薄いサイドを切り崩していく新しい形をトライしていた。もちろん、これは年間のコンセプトとして掲げていた部分ではある。だが、この指針が最も根強く現れていたのがシーズン開幕当初だろう。代表的な攻撃パターンは右ウイングの家長昭博のクロスを逆サイドの長谷川竜也が合わせる形でのフィニッシュ。大きく左右に相手を振るこの形でシーズン序盤戦はこの形でチャンスや得点を量産した。
しかし、長谷川の負傷離脱により徐々にこの形は尻すぼみに。8月以降はより周りとのコンビネーションを軸に崩す傾向の強い齋藤学や三笘薫の左ウイングでの出場機会が増えることで、従来の川崎のイメージである距離感の近いパス交換が増加した。……
残り:3,034文字/全文:3,585文字
この記事はプレミア会員のみお読みいただけます
プレミア会員 3つの特典
有料記事が読める
動画が観られる
>
雑誌最新号が届く
「footballista」最新号
フットボリスタ 2021年3月号 Issue083
変化を牽引するドイツの今。商業化の功罪、育成大国の模索、CL王者の戦術
【特 集】
ブンデスリーガの光と影。
変革期のドイツサッカー界で何が起きているのか

有料記事が読める

動画が観られる
>
雑誌最新号が届く
「footballista」最新号
フットボリスタ 2021年3月号 Issue083
変化を牽引するドイツの今。商業化の功罪、育成大国の模索、CL王者の戦術 【特 集】 ブンデスリーガの光と影。 変革期のドイツサッカー界で何が起きているのか

Profile
せこ
野球部だった高校時代の2008年、ドイツW杯をきっかけにサッカーにハマる。たまたま目についたアンリがきっかけでそのままアーセナルファンに。その後、川崎フロンターレサポーターの友人の誘いがきっかけで、2012年前後からJリーグも見るように。2018年より趣味でアーセナル、川崎フロンターレを中心にJリーグと欧州サッカーのマッチレビューを書く。サッカーと同じくらい乃木坂46を愛している。