先日開催されたFIFAクラブワールドカップを制し6冠を成し遂げたバイエルン。ハンジ・フリック監督によって構築されたポジショナルプレーとストーミングを融合したハイブリッドスタイルに称賛の声が集まるが、この偉業は戦術面だけで実現したものではない。主力としてタイトル独占に貢献したアルフォンソ・デイビスに象徴される、育成・スカウト改革の成果でもあったのだ。つい数年前まで下部組織からトップチームに定着する選手がおらず、補強に頼り切りだったドイツの盟主が進めている戦略転換に迫る。
今、バイエルンが密かにクラブ戦略を大転換している。
2007年夏のフランク・リベリとルカ・トーニの獲得を機に「ピンポイント大型補強路線」にシフトして以降、彼らは育成にはあまり力を入れてこなかった。
それに伴い、フィリップ・ラーム、バスティアン・シュバインシュタイガー、トーマス・ミュラー、ダビド・アラバ以降は下部組織からトップチームに定着する選手を輩出できず、期待されたショルの息子ルーカス(24歳/現ホルン)やゲッツェの弟フェリックス(23歳/現カイザースラウテルン)も開花させられなかった。


しかし、「ピンポイント大型補強」の限界がきつつある。
放映権マネーとオイルマネーで移籍金が急激に高騰しており、近い将来、「現金主義」のバイエルンが戦力を維持できなくなるのは間違いないからだ。中東の国や大富豪が支えるクラブには、資金力で太刀打ちできない。
そこでバイエルンは方針転換を決断する。
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Profile
木崎 伸也
1975年1月3日、東京都出身。 02年W杯後、オランダ・ドイツで活動し、日本人選手を中心に欧州サッカーを取材した。現在は帰国し、Numberのほか、雑誌・新聞等に数多く寄稿している。
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