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デイビス、ムシアラ…新星の台頭は偶然ではない。バイエルンを6冠へと導いた“育成改革”

2021.02.14

先日開催されたFIFAクラブワールドカップを制し6冠を成し遂げたバイエルン。ハンジ・フリック監督によって構築されたポジショナルプレーとストーミングを融合したハイブリッドスタイルに称賛の声が集まるが、この偉業は戦術面だけで実現したものではない。主力としてタイトル独占に貢献したアルフォンソ・デイビスに象徴される、育成・スカウト改革の成果でもあったのだ。つい数年前まで下部組織からトップチームに定着する選手がおらず、補強に頼り切りだったドイツの盟主が進めている戦略転換に迫る。

 今、バイエルンが密かにクラブ戦略を大転換している。

 2007年夏のフランク・リベリとルカ・トーニの獲得を機に「ピンポイント大型補強路線」にシフトして以降、彼らは育成にはあまり力を入れてこなかった。

 それに伴い、フィリップ・ラーム、バスティアン・シュバインシュタイガー、トーマス・ミュラー、ダビド・アラバ以降は下部組織からトップチームに定着する選手を輩出できず、期待されたショルの息子ルーカス(24歳/現ホルン)やゲッツェの弟フェリックス(23歳/現カイザースラウテルン)も開花させられなかった。

バイエルン時代のルーカス・ショル。クラブのレジェンドである父メーメットに続く活躍が期待されたが、トップチームデビューを飾ることはなく2017年に放出。ドイツ4部クラブを渡り歩いた後、オーストリア2部のホルンへ加入した
兄マリオが加入した2014年にドルトムントユースから引き抜かれたフェリックスだったが、トップチームデビューを果たすことなく2018年にアウグスブルクへ。移籍先でも出番を得られず、この冬の移籍市場で3部のカイザースラウテルンへレンタルされている

 しかし、「ピンポイント大型補強」の限界がきつつある。

 放映権マネーとオイルマネーで移籍金が急激に高騰しており、近い将来、「現金主義」のバイエルンが戦力を維持できなくなるのは間違いないからだ。中東の国や大富豪が支えるクラブには、資金力で太刀打ちできない。

 そこでバイエルンは方針転換を決断する。……

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Profile

木崎 伸也

1975年1月3日、東京都出身。 02年W杯後、オランダ・ドイツで活動し、日本人選手を中心に欧州サッカーを取材した。現在は帰国し、Numberのほか、雑誌・新聞等に数多く寄稿している。