SPECIAL

「シャルケの一つの時代の顔」内田篤人がファンに愛された必然

2020.08.29

引退惜別コラム

2020年8月23日、内田篤人が現役を引退。国内外から数多くの惜別の声が寄せられた。中でも、ドイツで7シーズン所属したシャルケからのメッセージは大きな反響を集めた。

海外のクラブで、これほどまで愛された選手はそう多くないだろう。内田篤人がこれほどまでシャルカー(シャルケファン)に愛されたのはなぜだったのか。長らくクラブを取材し続けているダニエル・テーベライト氏に綴ってもらった。

 普通に数えると今年はまだ2020年だが、シャルケは3月に「今世紀のベストイレブン」を投票で決めた。サッカーファンが辛抱強かったことはないし、思い出に耽るのは、ペナルティキックやストライカーのようにサッカーにはつきものだ。というわけで、ブンデスリーガがコロナで中断していた時、シャルケのファンたちは各ポジション別に過去20年のお気に入り選手を選んだのだが、「21世紀最高の右SB」には投票率45.2%で内田篤人が選ばれた。今年のCL決勝に出場したパリ・サンジェルマンのドイツ代表ティロ・ケーラーに大きな差ををつけて。……

残り:1,787文字/全文:2,435文字 この記事の続きは
footballista MEMBERSHIP
に会員登録すると
お読みいただけます

TAG

シャルケブンデスリーガ内田篤人

Profile

ダニエル テーベライト

1971年生まれ。大学でドイツ文学とスポーツ報道を学び、10年前からサッカージャーナリストに。『フランクフルター・ルントシャウ』、『ベルリナ・ツァイトゥンク』、『シュピーゲル』などで主に執筆。視点はピッチ内に限らず、サッカーの文化的・社会的・経済的な背景にも及ぶ。サッカー界の影を見ながらも、このスポーツへの情熱は変わらない。

RANKING