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負けられない日本に立ちはだかる。粒ぞろいのスコットランド女子代表

2019.06.14

『ガーディアン』紙コラボ企画:女子W杯チーム紹介

イギリスの高級紙『ガーディアン』との連動企画が昨年の男子W杯に続き実現! そのブランド力を生かし各国の一流メディアが提携した「女子W杯コラボレーション企画」に、“日本代表”としてfootballistaが参加した。各国事情に精通する記者による出場国紹介の中から、日本がGS第2節で対戦するスコットランドの記事をお届け。情報が限られる対戦国の現状をチェックしてほしい。

 スコットランドにとって2大会連続となる主要国際大会出場は、単なる偶然ではない。というのも、一流のタレントがそろったチームであることに疑いはないからだ。予選を7勝1敗で2位通過し、スコットランドにとって初の主要国際大会出場となった2017年の女子EURO。オランダで開催された同大会での挑戦は失敗に終わったが、それはケガ人が続出したからに他ならない。MFキム・リトル(アーセナル)とFWリジー・アーノット(マンチェスター・ユナイテッド/当時ハイバーニアン所属)が靭帯を断裂し、DFエマ・ミッチェル(アーセナル)とジェニファー・ビーティ(今夏マンチェスター・シティからアーセナルへ移籍)も離脱。グループステージ初戦ではイングランドに6-0で惨敗を喫するだけでなく、FWのジェーン・ロスまでも肩を負傷して窮地に追い込まれた。続くポルトガル戦も2-1で敗れたものの、最終節スペイン戦は1-0でついに初勝利。ポルトガル、スペインと勝ち点で並んで決勝トーナメント進出へ望みを繋いだが、3チーム間における直接対決の結果であと一歩及ばず、スペインが勝ち抜けとなった。失意に終わった初の大舞台の後、アンナ・サイニュールから代表監督の座を引き継いだ元アーセナル指揮官シェリー・カーは、すぐさま女子EUROでのパフォーマンスを報告書にまとめなくてはならなかった。

 今大会までの道のりも紆余曲折だった。W杯本大会にストレートインできる1枠を5チームで争った予選、勝負の行方はグループ最終節に持ち越されると、スイスがポーランド相手に勝ち点を落としてしまう。足を滑らせたライバルを尻目に、リトルとロスのゴールでアルバニアに2-1で勝利したスコットランドがW杯初出場を決めた。

 カーが率いるチームで中心を担うのはイングランドのウィメンズ・スーパーリーグでプレーする選手たちだ。リーグ王者アーセナルで活躍するリトル、ミッチェル、リサ・エバンズに加え、シティの国内カップ戦2冠に貢献したビーティ、キャロライン・ウィアと粒ぞろいの面々が並ぶ。さらに、チャンピオンズリーグで準決勝まで勝ち進んだチェルシーからエリン・カスバート、FAカップで準優勝を果たしたウェストハムのロスまでそろっている。スコットランド・ウィメンズ・プレミアリーグの2強、グラスゴー・シティとハイバーニアンからもメンバーが集まっているほか、キャプテンを務めるレイチェル・コーシーはアメリカ、ナショナル・ウィメンズ・サッカーリーグ(NWSL)のユタ・ロイヤルズに所属。世界最高峰の女子サッカーリーグであるNWSLで優勝争いを戦っている。彼女たちは“勝利への道筋”を熟知しているメンバーだといっても過言ではない。

イングランドの強豪クラブで活躍するトッププレーヤーたちがスコットランド女子代表の主力を務めている

 このメンバーから厳選される先発11人は、理論上ならどんなチームも打ち負かせるほどの強さを持つ。その証拠に、2018年に行われた親善試合では現世界王者アメリカに1-0で敗れたものの、素晴らしいパフォーマンスを見せてポテンシャルを発揮した。鍵を握るのは選手のフィットネス管理だろう。オランダで露呈したように、スコットランドは強豪国の中でも選手層に厚みがないからだ。運も味方して“ゴールの女神”が微笑んでくれれば、貼られ続けてきた”弱者”というレッテルを剥がすことができるだろう。

2017年の女子EUROと同様にイングランドと激突したGS初戦は、2-1で敗戦。日本とのGS第2節はスコットランドにとっても絶対に負けられない一戦だ

Text: Suzanne Wrack (The Guardian)
Translation: Masatoshi Adachi (footballista)
Photos : Getty Images

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スコットランド女子代表戦術

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ガーディアン

1821年に『マンチェスター・ガーディアン』として創刊したイギリスの高級紙。スポーツ面を含め「読み物」の質の高さでクリエイティブ層からも支持されており、世界中に1億4000万人以上の閲覧者を持つ。