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2021地域CLレポート②“あの”おこしやす京都が挑む「5度目の正直」

2021.11.23

11月12~14日の3日間、三重、岩手、広島の3カ所で「地域サッカーチャンピオンズリーグ」の1次ラウンドが開催された。中0日という文字通りの3連戦で、JFL参入を目指す戦いが繰り広げられる「最も過酷な昇格争い」。現地取材しているジェイ氏が注目クラブの戦いぶりをレポートする。第2回は天皇杯でサンフレッチェ広島に大勝し、日本中のサッカーファンを驚かせたおこしやす京都だ。

 全国地域サッカーチャンピオンズリーグ(以下、地域CL)レポート第2回は、グループBもう一方の雄、おこしやす京都視点からお送りしたい。

 前回紹介したクリアソン新宿は地域CL初参戦だったが、おこしやす京都は2010年のクラブ統合以降、今回が実に5度目(!)の挑戦となる。近年では2017年、2019年に決勝ラウンドへと駒を進めたが、あと一歩でJFL昇格に手が届かず。まさに悲願の昇格を懸けて2年ぶりにこの舞台に戻ってきた。

 今シーズンは天皇杯でサンフレッチェ広島に大勝(5-1)したこともあって注目度が高まり、クリアソン新宿を抑えて優勝候補筆頭との見方もあった。ただチームは地に足をつけており、「広島さんに勝てたことは自信につながったが、またこの地域CLは違った大会なので、目の前の一歩一歩に積み重ねて、自分たちに目を向けていけたら」(瀧原直彬監督)と緩みなく大会に臨んでいた。

クリアソン新宿戦の試合前、集合写真に収まるおこしやす京都のイレブン

対コバルトーレ女川(〇0-1):目立った2人、CB西村とGK真田

 前回お届けしたクリアソンの試合は午後からだったが、こちらは午前。正真正銘の初戦である。朝から小雨が続き、風もそこまで強くはないが、南から北へずっと吹き続けている。メインスタンド中央部には屋根があるのだが、風の関係で雨が振り込む。南側記者席に陣取ったのは失敗だった。iPadの防水ケースを忘れたことが悔やまれる……。

 試合前、写真撮影時に女川の選手からは「5!4!3!2!1!バモス!!」と咆哮が響き、京都ベンチからは「いつも通りね!全力で楽しんで!!」の声が聞こえる。陰鬱な空模様を吹き飛ばすかのようにどちらも明るい。

 両チームともサッカースタイルは似ており、ソリッドな[4-4-2]から縦に速く攻め、激しくセカンドボールを奪取にかかる。その信条からか、京都は相手FK時のライン設定が恐ろしく高い。これにはスタンドで偵察していたクリアソンの選手からも驚きの声が上がっていた。

 試合は女川がパワーをもって入り序盤の主導権を握るが、鋭いカウンターから京都が徐々に盛り返していく。多くのチャンスを作り出したが、エースFW青戸翔の出来が今ひとつで、うまくボールが収まらずシュートチャンスも決め切れない。青戸はこのあと、第3戦まで鳴りを潜める格好になった。

 ネームバリューではクリアソンにやや劣るが、京都にも実力・実績を備えた選手がそろっている。今季限りでの引退を表明している原一樹と尾本敬はそれぞれベンチスタート、メンバー外となっていたが、それでも目を引く選手がまだまだ複数いた。

 個人的に高評価だったのが前・奈良クラブの2人。左CBの西村洋平はやや線は細いが、181cmとサイズは十分で足下の技術もある。視野も広く、鋭いロングフィードを放ちビルドアップも安定。リポジションも早く、自分の背中を取られないようによく注意を払っていた。そして何より声が大きい。JFLより上でも十分に通用しそうなプレーを見せていた。

 そしてもう1人、ウォーミングアップの際に「やたら上手いGKがいるな?」と驚いたのが真田幸太。それもそのはず、22歳の真田はJ1湘南から期限付き移籍で京都に在籍中で、湘南アカデミーと奈良クラブでジョアン・ミレッの薫陶も受けている。それだけにクロス時のリポジションやハイボール対応、近距離シュートへのセービングなど総合力は別格感があった。風の影響もあってかキックは今ひとつだったが、前半終了間際には2度の決定機を防ぎ、さらに後半立ち上がりにスーパーセーブを披露。試合の流れを大きく手繰り寄せる活躍ぶりだった。

 すると69分、左サイドに流れた高橋康平のクロスに途中出場のイブラヒムがヘッドで合わせると、GKが弾いたところにボランチの貫名航世が詰めて先制。京都が先手を取った。その後はビハインドとなった女川が攻勢に出るも、スピードのあるイブラヒムを中心にカウンターを放ちながら対応。GK真田も最後まで安定した守備を見せ、ラストプレーのCKも体を張って防ぎ切り勝利をものにした。

 「まずは1試合1試合、とにかく120%で目の前の試合に勝って、また120%で準備するというのはチームとして変わらないこと。地決という特別な大会の初戦でこの天候もあり、硬い試合にはなりましたが、選手が力を出し切って勝点3を取れたのはよかったと思います」(瀧原監督)

コバルトーレ女川戦で喜びを分かち合う⑩原ら、おこしやす京都の面々

対クリアソン新宿(〇3-2):エース青戸、復活のハットトリック

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Profile

ジェイ

1980年生まれ、山口県出身。2019年10月よりアイキャンフライしてフリーランスという名の無職となるが、気が付けばサッカー新聞『エル・ゴラッソ』浦和担当に。footballistaには2018年6月より不定期寄稿。心のクラブはレノファ山口、リーズ・ユナイテッド、アイルランド代表。