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偽SBや3バックにもトライ。ナーゲルスマン・バイエルン序盤戦の「実験」結果を読む

2021.08.31

プレシーズンマッチでは1分3敗、白星を挙げられないまま新シーズンを迎えることになったユリアン・ナーゲルスマン率いる新生バイエルンだったが、シーズンに入れば5戦無敗と順調なスタートを切った。一挙手一投足に注目が集まる指揮官は、絶対王者をどのように導こうとしているのか。序盤戦でいくつか試された「実験」の成果を振り返ってみよう。

 『キッカー』誌のこの寸評が、ナーゲルスマンの流儀を物語っているだろう。

 「ナーゲルスマンは実験をしながら戦っている」

 ナーゲルスマンが監督に就任したバイエルンは、ここまで公式戦5試合を戦った。開幕戦こそボルシアMGに1-1で引き分けたが、ドイツスーパーカップでドルトムントに1-3で競り勝って初タイトルを手にすると、第2節ケルン戦(3-2)、DFBポカール1回戦ブレーマーSV(0-12)、第3節ヘルタ・ベルリン戦(5-0)と連勝を続けている。

 4勝1分。EURO組の合流が遅れてほぼぶっつけ本番だったにもかかわらず、悪くないスタートを切ったと言える。

ビルドアップの3つのパターン

 重圧がかかる中でもナーゲルスマンらしいのは、冒頭で書いたように「戦術のチャレンジ」を忘れていないことだ。

 例えば、最終ラインからのビルドアップに関してはすでに3つの形を試している。……

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バイエルンユリアン・ナーゲルスマン戦術

Profile

木崎 伸也

1975年1月3日、東京都出身。 02年W杯後、オランダ・ドイツで活動し、日本人選手を中心に欧州サッカーを取材した。現在は帰国し、Numberのほか、雑誌・新聞等に数多く寄稿している。

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