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南米予選、日程の一部を変更。9月と10月は3節ずつの過密日程が濃厚に

2021.04.25

 4月23日、南米サッカー連盟は、6月のコパ・アメリカ開幕直前にW杯予選2節分の開催を決定した。 

移動の負担が増える国も

 同連盟の公式声明によると、6月3日と8日に行われる予選は第7節と第8節で、先月下旬、新型コロナ禍の影響を受けて欧州のクラブに所属する選手を招集できないため延期となった第5節と第6節は、9月、10月、11月に予定されているW杯予選開催日のいずれかに追加される形になるという。第5、6節が後回しになった理由については、「コロナ禍での移動による様々な負担を最小限にするため」と説明している。

 だが実際のところ、広大な南米大陸内の移動において、試合の順番を入れ替えたところで全チームの負担を減らすことは難しい。コパ・アメリカに向けた調整を考慮すると、ウルグアイのように、試合を入れ替えることで逆に「移動による負担」が増えるチームもある。

 もし6月に行われる予選が順番どおり第5節と第6節であった場合、ウルグアイはまずアウェイゲームのため空路片道1時間足らずのアルゼンチンに行った後、ホームにボリビアを迎え、そのまま国内でコパ・アメリカに備えることができた。ところが第7節と第8節が先に行われるため、コパの開幕直前に片道約7時間はかかるベネズエラへの移動を強いられる。

 コパの開催国であるアルゼンチンも、第8節のコロンビア戦のために大陸最北端の予選会場バランキージャまで往復しなければならない。ところがその一方、第6節が後回しになったことにより、コパ開幕の5日前に宿敵ブラジルとの対戦を回避できたのも事実。ウルグアイの『エル・オブセルバドール』紙は「順番の変更はコパ直前にブラジルとの対戦を避けたかったアルゼンチンサッカー協会の要請によるものと判明した」と報じている。

9月、10月に3試合ずつ実施?

 第7節と第8節を先に行うことによって、実際にどの程度の負担が抑えられるのかという具体的な説明がないために様々な憶測が飛び交う結果を招いているが、それよりも各国のメディア関係者が問題視しているのは、今後のスケジュールだ。

 コパ・アメリカの後、予選に当てられる年内のFIFA国際Aマッチデーは9月2日と7日、10月7日と12日、11月11日と16日。南米サッカー連盟はこのうちのいずれかに第5節と第6節を組み込む方針だが、11月は第5節、第6節と同じカードが予定されていることから、9月と10月に3節分ずつ行われることがほぼ確実と考えられている。

 その場合は選手を拘束する期間も長くなるため、欧州のクラブとの交渉がより困難になる可能性がある他、コロナ禍が現状より改善される保証もなく、予定通りに年内の日程が消化できるかどうかはわからない。

 先が見えない不安から予選の更なる遅れを懸念する声もあり、チリのジャーナリスト、ダニーロ・ディアス氏は早くも「W杯の開催を延期するのが妥当だろう」との見解を示している。


Photo: Getty Images

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アルゼンチン代表ウルグアイ代表

Profile

Chizuru de Garcia

89年からブエノスアイレスに在住。1968年10月31日生まれ。清泉女子大学英語短期課程卒。幼少期から洋画・洋楽を愛し、78年ワールドカップでサッカーに目覚める。大学在学中から南米サッカー関連の情報を寄稿し始めて現在に至る。家族はウルグアイ人の夫と2人の娘。