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ウルグアイの、Rマドリーの“小鳥”フェデリコ・バルベルデ

2019.06.20

レアル・マドリ―に所属するウルグアイ代表MFフェデリコ・バルベルデ

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Federico VALVERDE
フェデリコ・バルベルデ

1998.7.22 182cm / 78kg
MF URUGUAY

 ロシアW杯において、EURO王者ポルトガルをラウンド16で粉砕したウルグアイを支えたのが、ダイヤモンド型の中盤だった。その後アーセナルに加入するルーカス・トレイラを底に配置し、マティアス・ベシーノ(インテル)とナイタン・ナンデス(ボカ・ジュニオール)が両側をサポート。トップ下のロドリゴ・ベンタンクール(ユベントス)が上下動を繰り返すことで献身的に守備ブロックに参加するという試みは成功し、密度の高い中盤を構成した。若い才能がそろうウルグアイのMF陣で、競争を激化させる男。18歳でペニャロールからレアル・マドリーに引き抜かれたフェデリコ・バルベルデは、虎視眈々と機会を待っている。

 推進力があり「ボール運び」を得意とするタイプには珍しく、中長距離のパス精度も高い。ボールを運ぶだけでなく、展開することでビルドアップの起点となるプレーが可能だ。ただ、パスコースは限定される傾向にあり、様々な方向に均等に散らすようなプレーも今後は求められてくるだろう。また、積極的にタックルを仕掛けるスタイルなので、ファウルが多いのが玉にきず。冷静に遅らせるような守備での判断力を習得すれば、今以上に効率的に守れるようになるはずだ。

 豊富な運動量から“小鳥”というニックネームで愛される彼だが、枝から枝を飛び回っていくような「軽い」イメージとは異なる。パワフルで重厚感のあるプレーは、同じ鳥類でも荒野を疾走するダチョウに近い印象だ。肉弾戦に強く、イングランド代表のルベン・ロフタス・チーク(チェルシー)のような推進力を武器にする彼は、密集地を一気に突破するプレーを得意としている。ウルグアイ代表のMFらしく献身的に走り回り、粘り強い守備でボールを奪取。サイドに流れることも厭わず、豊富な運動量で相手のアタッカーを追い回す。

 所属するレアル・マドリーでは、「ボックス・トゥ・ボックス」タイプが少ないチームで貴重なカードとなったバルベルデ。スティーブン・ジェラードのように長い距離を走り、エリア内にも積極的に侵入するスタイルを武器に、代表の中盤と比べても過酷な競争に挑んでいる。

 ウルグアイがW杯と同様に中盤を構成する場合、攻撃時はエディンソン・カバーニとルイス・スアレスという絶対的な2トップをフリーランでサポートし、守備時はブロックの一員となるベンタンクールの負担が大きい。そのポジションを置くならば、ユース時代にトップ下としてもプレー経験のあるバルベルデは最適だ。さらにカウンターの威力を高めたければ、セントラルMFとしての起用が有効だろう。バックアップメンバーとしては非の打ちどころがないほど完成度の高い20歳が、中盤のレギュラーの座を狙っている。

昨年の日本戦では後半の45分間プレーしていたバルベルデ。コパ初戦のエクアドル戦では81分からの出場となったMFが再び日本と相まみえることになるか。来シーズンから同じレアル・マドリー所属となる久保建英とのひと足早い“競演”も注目ポイントの一つになりそうだ

Photos: Getty Images

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ウルグアイ代表フェデリコ・バルベルデ戦術

Profile

結城 康平

1990年生まれ、宮崎県出身。ライターとして複数の媒体に記事を寄稿しつつ、サッカー観戦を面白くするためのアイディアを練りながら日々を過ごしている。好きなバンドは、エジンバラ出身のBlue Rose Code。

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