
10月最初の試合となったブンデスリーガ第7節フランクフルト戦で今季初黒星を喫したバイエルンだったが、代表ウィークを挟み首位決戦となったブンデス第8節レバークーゼン戦で1-5の圧勝を遂げると、ベンフィカ、ホッフェンハイム相手に4-0で連勝。敗戦からの快進撃の背景にはやはりこの男、ユリアン・ナーゲルスマンによる細かな戦術的修正があった。その変化に迫る。
バイエルンはブンデス第7節でフランクフルトに1-2で敗れ、ユリアン・ナーゲルスマン監督が掲げていた「ブンデスリーガ史上初の全勝優勝」という夢は叶えられなくなった。
だが、この若き戦術家が敗戦を無駄にするはずがない。チームを進化させる絶好の機会と捉え、すぐさま修正に取りかかった。
ナーゲルスマンは第8節のレバークーゼン戦に向けた記者会見でこう宣言した。
「これは次の一歩を踏み出し、さらに成長するチャンスだ」
その言葉通り、バイエルンはレバークーゼンを1-5で粉砕。そこからナーゲルスマンが新型コロナ陽性で離脱するというアクシデントがあったが、CLグループステージではベンフィカを0-4で退け、続く第9節のホッフェンハイム戦も4-0で勝利し圧倒的な得点力を見せつけている。
いったいナーゲルスマンは何を修正したのだろう?
後ろを増やすのではなく前を増やすという発想
ナーゲルスマンはレバークーゼン戦前の会見で、浮かび上がった課題を説明した。……
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Profile
木崎 伸也
1975年1月3日、東京都出身。 02年W杯後、オランダ・ドイツで活動し、日本人選手を中心に欧州サッカーを取材した。現在は帰国し、Numberのほか、雑誌・新聞等に数多く寄稿している。
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