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台頭する若手有望株、今季のACLでの躍進――1年半前とは違うタジキスタン代表

2021.06.07

6月7日、カタールW杯アジア2次予選で日本代表と対戦するタジキスタン代表。コロナ禍の影響により、0-3で日本が勝利した2019年10月の一戦から間隔をあけての再戦となるが、タジキスタンサッカー界はこの1年半の間にさらなる飛躍を遂げているという。前回対戦時にもタジキスタンの現状について解説をしてもらった篠崎直也さんに、再びレポートをお願いした。

 タジキスタンは2026年のW杯出場を目指したサッカー発展プログラム「オルズー2026」を立ち上げ強化に取り組んできた。「オルズ」とはタジク語で「夢」を意味し、インフラ、マーケティング、国内リーグ、代表チーム、若年層の育成環境、教育、地域の発展、フットサル、女子サッカー、審判という10項目を柱としている。大統領の息子で首都ドゥシャンベ市長のルスタム・エモマリが同国サッカー連盟会長も兼任して主導しており、まさに国を挙げて精力を傾けているスポーツの枠を越えた戦略計画だ。タジキスタンとパートナーシップ協定を結んでいる日本サッカー協会もコーチの派遣や現地での大会開催といった支援を続けている。

 その成果は19年U-17W杯ブラジル大会への出場やACLでの躍進(後ほど詳述)という形で早くも現れた。フル代表もFIFAランクはまだ121位と高くはないが、今回の2次予選はキルギス、モンゴルに連勝し好調なスタートを切り、ホームに日本を迎えた第3戦(0-3)ではFW南野拓実が「前半は特に難しかった」と語ったようにあわやという場面も作り、決して楽な相手ではないことを印象づけた。

16歳の超新星も登場

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タジキスタン代表日本代表

Profile

篠崎 直也

1976年、新潟県生まれ。大阪大学大学院でロシア芸術論を専攻し、現在は大阪大学、同志社大学で教鞭を執る。4年過ごした第2の故郷サンクトペテルブルクでゼニトの優勝を目にし辺境のサッカーの虜に。以後ロシア、ウクライナを中心に執筆・翻訳を手がけている。

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