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「成長って歳でもないんで、自分の力を出すだけかな」どこにいてもやっぱり伊東純也【ヘンク現地取材・前編】

2026.02.12

2019年から3年半を過ごしたヘンクに帰還して6カ月。2カ月半の負傷離脱を経て昨年末ピッチに戻ってきた背番号10は今、心身とも健やかに「第二の故郷」でのプレーを楽しんでいるようだ。フランス・リーグ1で3年間、スタッド・ランス時代の伊東純也を取材してきた小川由紀子さんが、2月8日にホームで行われたベルギー1部リーグ第24節アンデルレヒト戦(○2-0)を現地レポート。前編では、試合後の“らしい”インタビューを中心に、衰えを知らない32歳(3月9日で33歳)の近況をお伝えしよう。

“青色の10番”が走りに走って…先発復帰後ヘンクは無敗

 10月14日の日本代表、対ブラジル戦で右足の腿裏を痛めてから約2カ月半、戦列を離れていた伊東純也は、12月26日に行われたベルギー・プロリーグの2025年最終戦、対クルブ・ブルッヘ戦で待望の実戦復帰。

 後半の72分にピッチに登場した背番号10は、わずか4分後、切れ味バツグンのドリブルでペナルティエリア内に切り込み、相手DFに追走されながらもそのままゴール至近距離まで突っ込むと、ポストとGKとのわずかな隙間に右足シュートを突き刺した。

 待ってました、と言わんばかりの場内からの盛大な「ITO」コールに、右手を上げて応えたスピードスター。足をケガして2カ月半も欠場していたとは思えないあの初速。やっぱり伊東は別格だ、と誰もが思ったシーンだった。

 ちなみに伊東は、ヘンクに復帰して最初のホーム戦、8月28日のヨーロッパリーグ予選プレーオフ、対レフ・ポズナン(ポーランド)戦でも得点を決めている。本拠地サポーターの前での“ただいまゴール”が得意みたいだ。

 伊東が欠場していた間、成績不振を理由に昨シーズンから指揮を執っていたトルステン・フィンクが解任となり、新監督には12月初旬までクルブ・ブルッヘを率いていたニッキー・ヘイエンが招聘された。

 そして初采配となったのが、この第20節クルブ・ブルッヘ戦。皮肉にも、つい数週間前まで自身が率いていたクラブである。伊東のゴールで3-3と同点に追いつくも、その後さらに2点を奪われて3-5で敗戦。計8得点というゴールラッシュの黒星スタートとなったのだった。

 オフにはスペイン合宿を敢行したヘンク軍団。迎えた2026年の初戦、1月17日の第21節ズルテ・ワレへム戦でも後半の途中からプレーした伊東は、続く22日のELリーグフェーズ第7節ユトレヒト(オランダ)戦から先発イレブンに復帰した。

 左サイドで出場した2月1日の第23節デンデル戦では、開始3分、自らのパスが起点となった絶妙なコンビプレーからダーン・ヘイマンスの先制点をアシスト。ヘイマンスが追加点を挙げて1-2で制したヘンクは、リーグ戦では11月30日の第16節以来7試合ぶりとなる勝利を飾った。

 ヘイエン監督下の新体制は、クルブ・ブルッヘ戦に続いてズルテ・ワレヘム戦にも敗れて2連敗スタートとなったが、以降はELを含む全公式戦で無敗をキープしている。

 そんな中で迎えた第24節の強豪アンデルレヒト戦。

 青空の広がる冬晴れの本拠地、セゲカ・アレナでのデーゲームは、序盤からシュートに向かう回数こそ多かったが、決め切れずに0-0で前半を折り返す。しかし69分にイラ・ソール、そして84分にロビン・ミルソラと、後半から投入された2人がそろってゴールを決めてヘンクが2-0で勝利。

 上位相手に貴重な勝ち点3だけでなく、リーグ戦では3カ月ぶりのクリーンシートという実のある結果を手に入れた。

アンデルレヒト戦のハイライト動画。ヘンクは第24節(レギュラーシーズン全30節)を終えて8勝8分8敗・33得点35失点、勝ち点32で8位(全16チーム)につけている

 先発出場の伊東は、開始早々に中央でボールを受けて右ウイングバックのザカリア・エルウアディのシュートを誘発したり、相手に押し込まれ気味だった後半は守備にも奔走。走りに走って64分にベンチに退いた。

 この3年間、赤いユニフォーム姿を見慣れていたので、青色の「10番」には少しの間、目が慣れなかったけれど、初速からすぐにトップスピードに達するあの閃光のような走りや、ワンタッチからの精度の高いパス、相手の進入を食い止める巧みな守備センス……どこにいても、やっぱり伊東純也だ。

1試合1試合、たぶん俺のポジションだけ変わってて…」

 ……ということで、ここからは、アンデルレヒト戦の試合後にミックスゾーンで取材に応じてくれた伊東選手の近況を、一問一答でお届けしようと思う。

……

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小川 由紀子

ブリティッシュロックに浸りたくて92年に渡英。96年より取材活動を始める。その年のEUROでイングランドが敗退したウェンブリーでの瞬間はいまだに胸が痛い思い出。その後パリに引っ越し、F1、自転車、バスケなどにも幅を広げつつ、フェロー諸島やブルネイ、マルタといった小国を中心に43カ国でサッカーを見て歩く。地味な話題に興味をそそられがちで、超遅咲きのジャズピアニストを志しているが、万年ビギナー。

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