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W杯南米予選が佳境。4カ国の出場が決定、3カ国がプレーオフ枠を争う

2022.03.26

 W杯南米地区予選は第17節が終了し、エクアドルとウルグアイが本大会出場権を獲得。早々にカタール行きの切符を手に入れたブラジルとアルゼンチンに続く残り2.5枠を5カ国が狙う大混戦となっていたが、結局は1節を残した時点で予選をダイレクトに通過する4カ国が出そろうことになった。

 最終節ではペルー、コロンビア、チリの3カ国によって、大陸間プレーオフに出場する 5位の座が争われる展開となった。

3連勝で4位確保のウルグアイ

 今回の予選で安定したチーム力を見せ、序盤から3位を維持してきたエクアドルは、第17節のパラグアイ戦で思わしくないゲーム内容から1-3とまさかの敗戦。それでもペルーがウルグアイに0-1と敗れたことからダイレクト通過圏内の4位以内が確定し、勝点でウルグアイに追いつかれても得失点差でのアドバンテージ(エクアドルは+8、ウルグアイは−2)があることから、3位に留まった状態で2014年ブラジル大会以来となるW杯出場権を勝ち取った。

 ホームでペルー相手に勝利を収めたウルグアイは、これで第15節から3連勝。3試合で9ポイントをもぎ取り、昨年11月、オスカル・タバレス監督が解任された第14節終了時の7位から一気に4位に浮上して4大会連続出場を成し遂げた。

 ウルグアイがW杯予選で3連勝を飾ったのは2013年以来の快挙で、国内ではディエゴ・アロンソ監督の人気もうなぎ上り。アロンソ監督の契約は当初、予選の残り4試合だけだったが、W杯出場を決めた場合は自動的に2026年まで延長されることになっている。

微妙な判定も、ノーゴール

 ウルグアイvsペルーの試合では、疑惑の判定が話題となった。91分にペルーのDFミゲル・トラウコのクロスボールをウルグアイのGKセルヒオ・ロチェがキャッチしたところ、ボールがラインを越えたように見受けられたのだ。

 ペルーのベンチでは選手やスタッフがリプレイ映像の検証を求めて抗議したが、VARからノーゴールの報告を受けたブラジル人のアンデルソン・ダロンコ主審はそのままゲームを続け、試合は1-0で終了。南米サッカー連盟がVAR判定の映像と音声を公開した後も、ペルーでは判定に対する不満の声が高まっている。

 最終節を控え、5位を目指す3カ国の勝点はペルーが21、コロンビアが20、チリが19。自力突破の可能性を手にパラグアイ戦に挑むペルーのリカルド・ガレカ監督は「(ウルグアイ戦での敗戦から)24時間は(悔しさを)なかなか消化できないものだが、我われはこのような状況にも反応するチームであることを示してきた。気持ちを切り替え、決戦に備えて集中するのみだ」と冷静に語った。


Photo: Getty Images

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ウルグアイ代表エクアドル代表オスカル・タバレスディエゴ・アロンソペルー代表リカルド・ガレカ

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Chizuru de Garcia

1989年からブエノスアイレスに在住。1968年10月31日生まれ。清泉女子大学英語短期課程卒。幼少期から洋画・洋楽を愛し、78年ワールドカップでサッカーに目覚める。大学在学中から南米サッカー関連の情報を寄稿し始めて現在に至る。家族はウルグアイ人の夫と2人の娘。

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