
11月16日のボリビア戦に3-0で完敗。これで4連敗、第14節を終えた2022年カタールW杯南米予選(10カ国・全18節)で本大会出場圏外の7位に転落したウルグアイ代表が決断を下した。オスカル・タバレス、解任――。2006年から15年間にわたる長期政権に終止符が打たれた。その背景や反響、そして74歳の名将が“小さなサッカー大国”の誇りである代表チームの土台を築き上げた功績の計り知れない価値を、これまで何度も“マエストロ”を取材してきたChizuru de Garciaさんが綴る。
一時帰国中だった私のもとに、AUF(ウルグアイサッカー協会)から“マエストロ”ことオスカル・タバレス監督の退任が決まったという内容のメールが届いたのは午前3時50分。その数時間前から「解任はほぼ決定」との情報が流れていたためにどうしても落ち着かず、なかなか眠ることができなかったが、メールを受け取った後も現地の反応を読んだり聞いたりしながら、結局翌朝まで起きていた。これまで何度も取材をし、個人的に話をする機会を通してマエストロの人間性に魅せられていた私にとって、AUFの決断はとにかく残念で仕方がない。解任の理由は「W杯予選での戦績不振」というが、本大会出場の可能性を残した時点での退任は自身もさぞ無念だろう。
「謙虚さ、リスペクト、帰属意識、団結力」
……
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Profile
Chizuru de Garcia
89年からブエノスアイレスに在住。1968年10月31日生まれ。清泉女子大学英語短期課程卒。幼少期から洋画・洋楽を愛し、78年ワールドカップでサッカーに目覚める。大学在学中から南米サッカー関連の情報を寄稿し始めて現在に至る。家族はウルグアイ人の夫と2人の娘。
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