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53年ぶりのEURO優勝…帰国後のアズーリを待ち受けていたもの

2021.07.15

 7月11日、EURO2020決勝でイタリアはイングランドをPK戦の末に下し、53年ぶり2度目の優勝を飾った。左足アキレス腱手術の後にチームに再合流し戦いを見守ったレオナルド・スピナッツォーラを含む選手26名ならびにスタッフ、また選手団は12日の早朝に帰国。一日ローマに滞在し、政府の要所へ表敬訪問に向かった後に市内パレードを行い、沿道に詰めかけた市民とともに優勝を祝った。

優勝カップを抱いて眠る

 ローマのフィウミチーノ空港、また休養先となった市内のホテルの前には、すでに大勢のファンが待機。そこから各選手は午後まで休養を取った。主将のジョルジョ・キエッリーニは、2006年ドイツW杯を制したファビオ・カンナバーロの例に倣い、優勝カップを部屋に持ち込んで添い寝したという。

 昼食をとった後には、バスに乗って大統領官邸のクイリナーレ宮殿へ移動し、セルジョ・マッタレッラ大統領を表敬訪問した。ウェンブリーでの決勝を観戦したマッタレッラ大統領はスピーチを行い「スコア以上の栄誉にふさわしい偉業をみなさんは成し遂げた。イタリアの良き代表者となり、国民の愛情に応えた」と祝福。

 そして「みなさんはただ勝つことを目指さず、素晴らしいプレーを実行しつつ勝った。これは選手のみなさんが楽しんでプレーをし、イタリア人だけでなく、見る者すべてを楽しませたこと、そしてまた選手同士が長い歩みの中で一体感を示したことを通して、スポーツの尊厳を守ったということだ」と、ロベルト・マンチーニ監督の下でポゼッション志向と団結力を武器に優勝を勝ち取ったチームをたたえた。

優勝の瞬間、地震が発生?

 その後、チームは首相官邸のキージ宮殿に移動してマリオ・ドラギ首相を表敬訪問した後、特別に用意されたオープンバスに乗り換えて市内パレードに出た。通りに多くの市民が詰め寄る中、ともにチャントを歌って歓声に応えながら、約3時間のパレードを終えて宿舎に到着。

 夜には選手とスタッフとの間で祝勝会を行い、13日の朝に解散した。なお、その時も大勢のファンが詰めかけ、選手たちはサインに応じていたという。

 国際大会で振るわず、ロシアW杯では予選敗退を喫したアズーリだが、今回の躍進を通して人気も復活した。11日の決勝のテレビ中継を担当した国営放送『RAI』は、実に73.68%の占有率を記録。PK戦中には最大78.7%に達した。

 また、ローマ近郊モンテチェリオの地震計には、その瞬間に喜ぶ人々の動きが振動として観測されたという。大会中はコベルチャーノのサッカー博物館も盛況で、地元紙『クオティディアーノ・ナツィオナーレ』は「今回の優勝の影響により、イタリアの国内総生産は0.7%上昇すると経済学者が試算している」などと報じた。


Photo: Getty Images

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Profile

神尾 光臣

1973年福岡県生まれ。2003年からイタリアはジェノバでカルチョの取材を始めたが、2011年、長友のインテル電撃移籍をきっかけに突如“上京”を決意。現在はミラノ近郊のサロンノに在住し、シチリアの海と太陽を時々懐かしみつつ、取材・執筆に勤しむ。