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EURO2020で快進撃のイタリアに不運。守備の要スピナッツォーラがアキレス腱断裂で離脱

2021.07.05

 EURO2020で好調だったイタリア代表DFレオナルド・スピナッツォーラが、2日のベルギー戦で故障。左足アキレス腱断裂の重傷を負い、メンバーから離脱した。

仲間たちにエール

 2-1で迎えた76分、相手選手を追走した際に左足の強烈な痛みを訴え、ベンチに交代を要求。自力歩行ができず、担架がすぐに用意されグラウンドの外へと運び出された。

 イタリア衛星テレビ『スカイ・スポーツ』は「選手の代理人いわく、アキレス腱を断裂したようだ」と報じたが、翌日ローマの病院で行われた検査ではアキレス腱の皮下断裂という診断が下された。

 2018年に右膝前十字靭帯及び半月板を断裂し、その後も度重なる筋肉系の故障に悩まされたことに続き、さらなる災難に見舞われた。

 スピナッツォーラは翌日、代表の合宿を離れた。コベルチャーノのトレーニングセンターで昼食時後にクラッチ杖姿で現れ、全選手やロベルト・マンチーニ監督をはじめとするコーチ陣、スタッフに挨拶。その時の様子はイタリア代表の公式SNSにアップされている。

 また、スピナッツォーラも自身のインスタグラムで画像とともに「みんなが知っているように残念ながらああなったけど、僕たちのアズーリの夢はまだ続くし、この偉大なグループに不可能なことは何もない。僕は早く戻ってくるよ、確信している」とメッセージを掲げ、チームにエールを送った。投稿した画像には代表のチームメイトや各クラブの現役選手、またOBなどからも多くのメッセージが寄せられている。

完全復活までには8、9カ月が必要

 『ガゼッタ・デッロ・スポルト』によれば、スピナッツォーラは7月5日にもフィンランドの専門医の元に渡り、アキレス腱の再建手術を受けるという。回復には5、6カ月かかると見られているが、トップコンディションに戻すには8、9カ月が必要だとの見方もある。

 ボローニャにあるスポーツ医学研究所『イソキネティック』のフランチェスコ・デッラ・ビーラ教授は『コリエレ・デッロ・スポルト』に対し「アキレス腱の断裂は人口比で増えてはいるが、プロサッカー選手では少ないケース。ただ、アキレス腱断裂の故障を負った選手のうち82%が復帰したというデータがあるし、イタリアではその確率はより上がる」と語った。

 大会中は絶好調で、2度のマン・オブ・ザ・マッチを受賞していたスピナッツォーラの不在は、7月6日の準決勝スペイン戦に向けては間違いなく痛手になる。

 一方で、長期欠場の穴埋めは所属のローマにとっても課題で、4日の地元紙では補強候補としてチェルシーDFマルコス・アロンソやフィオレンティーナDFクリスティアーノ・ビラギらの名前が上がっている。

 なお、同クラブの指揮官に就任したばかりのジョゼ・モウリーニョ監督は、スピナッツォーラに見舞いの電話を入れたという。


Photo: Getty Images

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Profile

神尾 光臣

1973年福岡県生まれ。2003年からイタリアはジェノバでカルチョの取材を始めたが、2011年、長友のインテル電撃移籍をきっかけに突如“上京”を決意。現在はミラノ近郊のサロンノに在住し、シチリアの海と太陽を時々懐かしみつつ、取材・執筆に勤しむ。

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