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Photo: Getty Images

2017.04.20 18:30

REVIEW

UEFA CHAMPIONS LEAGUE / QF 2nd leg

最大のピンチにも破綻しなかったユーベ守備陣の集中力

勝負を分けたワンプレー:バルセロナ 0-0 ユベントス


UEFAチャンピオンズリーグ全試合を放送する『スカパー!』と『footballista』がコラボレーション。注目カードの勝敗を分けたポイントを、『footballista』執筆陣が詳細に分析する。


 固い組織守備で、2戦にわたってあのバルセロナにゴールを許さなかったユベントス。このセカンドレグ、バルセロナの枠内シュートをたった1本に抑え込んだ彼らだが、崩されてピンチを迎えたシーンが前半に2度あった。メッシのスルーパスをジョルディ・アルバに通されかけた17分と、そして直後の19分のプレーだ。

 エリア手前でボールを収めたメッシが左サイドへ展開。パスを受けたジョルディ・アルバは、クアドラードに張りつかれながらもダイレクトで中央へ折り返す。これに反応したのがニアに動いたルイス・スアレス。マークについたボヌッチを引きつけ自身の後方、エリア内中央に生じたスペースへとボールを流した。そこにフリーで走り込んだのはメッシ。放った左足のシュートは、ゴールのわずかに右をかすめた。決められたら確実に流れを持っていかれたであろうところで、ユーベの守備陣にとっては九死に一生を得た格好だ。

 ただこのシーンは、単にメッシのミスに救われたというものでもない。ボールは持たれても、シュートは打たれても、ギリギリのところで枠へは入れさせず相手から攻撃の精度を奪ったユーベ守備陣の集中力を象徴してもいたからだ。

 注目したいのが、ゴールエリアの中央にいたキエッリーニの動きだ。彼は最初にメッシへとボールが渡った時にチェックに行っており、スアレスへとパスが入った際に急いでDFラインに戻った。しかし、そのためにスアレスの落としを受けたメッシとの間に距離ができ、相手に前を向かれてしまう。

 だが、ここから彼は見事なまでの集中力で、すべきことを確実に実行してみせた。むやみにメッシに突っ込んでいくのではなくまず正面に入ってシュートコースを切ったのち、間合いを詰めてメッシの利き足である左側をブロック。これによってシュートコースは大幅に限定されたメッシに残されていたのは、角度の厳しいゴール右隅のみ。その残されたコースを正確かつ速いシュートで狙ったのはさすがだったが、枠を捉えることはできなかった。

 ユーベの守備ブロックは高度に組織化されていた。パスを回しながら縦横無尽に動くバルセロナの攻撃陣に対し、MFやSBがフォローし合いながらゴール前のスペースを消す。そして中央にボールを入れられた時はCB陣が対応。キエッリーニもボヌッチも、中央にきちんとポジションを取りボールをかき出す。最後の砦となる彼らは常に集中し、不利な状況でも判断を間違えなかった。この落ち着きが、2試合連続無失点での準決勝進出をもたらした。

(文/神尾光臣)



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