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A代表デビュー戦で森島司が見せた“リンクマン”としての輝き

2019.12.14

スタッツで振り返るE-1選手分析#1

韓国の地で開催中の「EAFF E-1 サッカー選手権」(E-1選手権)決勝大会。その日本男子代表チームの中で印象的な活躍を披露した選手のパフォーマンスについて、現地で大会を取材中の河治良幸さんにEAFF E-1サッカー選手権 オフィシャルWebブラウザ 「Brave」で更新される選手スタッツも交えつつ分析してもらう。

 EAFF E-1選手権の初戦で日本は中国に2-1の勝利を収めた。前半から目立ったのは左サイドの攻撃で、とりわけ[3-4-2-1]の左シャドーに配置された森島司の働きは顕著だった。

 東京五輪の出場資格があるU-22日本代表の候補でもある森島。サンフレッチェ広島で同じシステムの同ポジションを経験していることもあり、A代表デビューと言ってもやりやすさはあっただろう。森島自身も「いいポジションに立ち続けて相手の嫌なことをするのと、(遠藤)渓太に入れる中継役だったり。今日は入れられなかったですけど(上田)綺世に入れる中継役をやろうとしていて、わりかしできたかなと思います」と振り返る。

 3バックの左から攻撃を支えたキャプテンの佐々木翔は「あのポジションに(中国の)ボランチがピタリと付いていた」と語るが、森島は1トップの上田、左ボランチの橋本拳人、左ウイングバックの遠藤と協力しながら、相手DFの間に顔をのぞかせて佐々木や橋本のパスを引き出し、シンプルなボールタッチを駆使して、遠藤のアウトサイドからの突破などを引き出していた。

数字に表れた2シャドーの役割の違い

 2シャドーのパス本数を見ると、右シャドーの鈴木武蔵との役割の違いは顕著だ。鈴木が16本のパスで成功が14本である一方で、森島は42本を記録し38本を成功させている。実に3倍近いパス本数の差があり、その中でもミスが4本しかないと言うのは注目するべきデータだ。鈴木も北海道コンサドーレ札幌で同じシステムのシャドーを多く経験しているが、本質的にはストライカー。どちらかと言えば左から作ったチャンスに右から飛び出すと言う役割を担っていた。

 実際に、先制ゴールはその形が見事にハマった。自陣の左から佐々木が森島に縦パスを通すと、森島は1トップの位置から下りて来た上田を使ってヒールのリターンパスを受けると、そのままインサイドを縦に進出して“ペナ角”から左足でグラウンダーのボールを中央に送り込み、最後は鈴木がタイミング良く飛び込んでダイレクトでゴールネットを揺らした。

値千金の決勝ゴールを奪った鈴木と祝福する森島

 ペナルティエリア内のラストパスという形で、データ上もクロスは記録されていない。「相手も前から来ていましたし、(佐々木)翔君からいい縦パスが入ってスペースが空いてたから、(上田)綺世からいい落としがきた」とこのシーンを振り返る森島はアシストについて「あのタイミングで上げるというのは自分のチーム(広島)で共有していたところで、そういう意識で上げたら(鈴木)武蔵君がいてくれた」と語る。

 このシーンに関して分析視点で補足すると、結果的にはボールを触らなかった遠藤のポジショニングも効果的だった。佐々木から森島にボールが入るところで、アウトサイドから上田とは逆の動きをすることで中国のディフェンスを外に開かせて、森島が突くインサイドのスペースを作り出している。遠藤としては自分がパスを受けても縦の仕掛けに繋げたかもしれないが、森島と遠藤の関係が非常に良かったことを表すシーンでもあった。

本人が自覚する課題

 森島に話を戻すと、相手陣内の間に顔をのぞかせながらチャンスの起点になるという仕事はよく機能していたが、本人も課題に挙げているのがゴール前に入っていく回数の少なさ。前半はほとんどの攻撃が左から展開されたが、後半は右シャドーの鈴木が縦パスを受けて、右ウイングバックの橋岡大樹やボランチの井手口陽介が絡むシーンも少なくなかった。そこにフィニッシャーとして絡めなかったのはシュート1本(枠内シュートは0)というデータに表れている。「今日もクロスに1本、入れなかったところがある」と森島が語るように、橋岡からのクロスに逆サイドから飛び込めないシーンも見られた。

 「今日はアシストできましたけど、もうちょっとゴールに向かうプレーだったり、チームとしてボール握るっていうのが大前提ですけど、自分のタッチ数も増やしたい」と森島は語る。ファーサイドからクロスに飛び込む動きも大事だが、高い位置からコンビネーションで崩して、そこから素早い動き出しでペナルティエリア内に顔を出すのが彼の持ち味であり、その意味でもチームとしてのポゼッション、個人としてのタッチ数はもっと増やしたかったようだ。

 またドリブル回数が3回で成功が1回というデータに見られるように、さらに縦のドリブルで打開するシーンを増やせると日本のチャンスも拡大していたかもしれない。森島も「あんまり見せれてないですけど、自分の推進力というのを見せれたらなと思います」と口にしている。とは言え攻撃の“リンクマン”としての役割からチャンスに絡むプレー、そして高い位置からのディフェンスなどA代表でほとんどやっていなかった[3-4-2-1]を機能させるのに十分な仕事はしており、五輪代表を兼任する森保監督へのアピールという意味でも、上々のA代表デビューだったと言える。

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男女ともに熱戦が展開中のEAFF E-1サッカー選手権(東アジアカップ)では、EAFF E-1サッカー選手権 オフィシャルWebブラウザの「Brave」を使用することで3つの限定コンテンツが楽しめることをご存じだろうか。

1. AI Match Forecast

AIを活用した勝敗予測システムAI-11(AI ELEVEN)によるリアルタイム勝敗予測を試合中に提供。試合展開に合わせてAIが随時予測を更新していく。

加えて、詳細なチームや選手のLIVEスタッツも更新されている。

2. Color the Cheer

男女全12試合で各チームへの応援投票を実施。会場内に設置されたLED看板と連動した企画で、試合の前半終了時点でより多くの票を集めたチームが後半のLEDバナースペース権を獲得。そのチームに併せたカラーと言語で応援メッセージが表示される。また、投票に参加した方には抽選で大会公式試合球Sfida「VAIS」がプレゼントされる。

3. Brave Award

最もBrave(=勇敢)な選手を、一般投票で男女1人ずつ選出するアワード。大会を通して最も投票数が多かった選手に贈られる。また、“Color the Cheer”と同じく投票者の中から抽選で大会公式試合球Sfida「VAIS」が当たるプレゼントキャンペーンも実施中だ。

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EAFF E-1サッカー選手権2019公式サイト
https://eaff.com/competitions/eaff2019/brave/

※BraveはPCやMac用はWeb上から、Smartphone用にはApp Store、Google Playにて無料でダウンロードいただけます
※アプリについては、インターネットへの接続が必要となります(接続料が発生する場合があります)

日本戦は男女全試合生中継!フジテレビ大会番組サイト
https://www.fujitv.co.jp/sports/soccer/e-1/index.html

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Photo: Getty Images

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戦術森島司

Profile

河治 良幸

『エル・ゴラッソ』創刊に携わり日本代表を担当。Jリーグから欧州に代表戦まで、プレー分析を軸にサッカーの潮流を見守る。セガ『WCCF』選手カードを手がけ、後継の『FOOTISTA』ではJリーグ選手を担当。『サッカーの見方が180度変わる データ進化論』(小社刊)など著書多数。NHK『ミラクルボディー』の「スペイン代表 世界最強の”天才能”」に監修として参加。タグマにてサッカー専用サイト【KAWAJIうぉっち】を運営中。