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加入初年度でブラックバーンを虜に!広報担当者と探る、森下龍矢がファン投票のクラブ年間最優秀選手に選ばれた理由

2026.05.26

2025-26シーズンはEFLチャンピオンシップの外国籍選手数で、国籍別トップ10に食い込んだ日本人選手。その10人の中でも、4ゴール9アシストでゴール関与数最多を挙げたのがブラックバーンの森下龍矢だ。加入初年度でいきなりファン投票のクラブ年間最優秀選手に選ばれ、受賞時にも小さなサポーターと太鼓を叩いて盛り上がりながら次々とファンサービスに応じるなど、ピッチ内外で絶大な人気を集めている理由を、同リーグの試合解説も担当した秋吉圭氏がクラブ広報担当者と探っていく。

加入時の舞台裏映像も倍になるほどの「底知れない魅力的な人間性」

 「個人的に最も強く印象に残っているのは、実は彼がクラブにやって来た最初の日のことです。彼の持つ前向きな姿勢は瞬時に伝わってきましたし、底知れない魅力的な人間性を備えていることは誰の目にも明らかでした」

 ブラックバーン・ローバーズのソーシャルメディアマネージャーを務めるマーク・ヘイハーストは、移籍期間最終盤の昨年8月にクラブへと加わった森下龍矢の第一印象をそう振り返る。シーズン終了からは丸2週間が経った。彼らが激動の1年を終え、2月に就任しチームを残留に導いた監督のマイクル・オニールが電撃辞任したばかりという間の悪いタイミングの中でも、彼は素早く、また熱意を持って私のいくつかの質問に答えてくれた。

 「私たちが練習場を案内し、加入発表に向けた一連のメディア対応を進める中で、私はできる限り多くの映像をカメラに収める決断をしました。彼の人柄を目にすれば、サポーターは間違いなくすぐに温かく迎え入れてくれると確信していたからです。最終的には5分間の舞台裏映像としてまとめ上げましたが、あまりにも素晴らしい場面が多すぎたため、実際にはその倍の尺にすることすら容易でした」

 昨夏、ブラックバーンのサポーターたちは前年の大橋祐紀に続き、2年連続で日本人選手をクラブに迎え入れた。しかし、おそらくはこれも前年の大橋と同様に、森下の名前に聞き馴染みのある人はほぼいなかったことだろう。

 EFLチャンピオンシップの基準では「ベテラン」の域に差しかかる当時28歳。子どもの頃から夢見たプレミアリーグを見据えての大きな挑戦だった。

 ポーランドの名門レギア・ワルシャワで1年半にわたって実績を積み重ね、強豪チームの一員としてプレーする中でより前目の位置での攻撃センスを開花させた。欧州の舞台でも得点を挙げ、チームの中心に君臨した中での満を持してのステップアップだったが、それでもイングランドでは文字通り「顔を売る」ところからのスタートを強いられた。

 ブラックバーンでは1学年先輩の大橋がすでに確固たるレピュテーションを築き上げていた。ハードワーク、ひたむきな物事への取り組み方、フットボールの実力。クラブ史上2人目の日本人選手となった森下もまた同様の特徴を持つ選手だ。

 もちろんクラブへの溶け込み、ピッチ上でのコンビネーション(彼らはEFL史上初の日本人選手によるアシスト→ゴールを記録したコンビとなった)、日常生活といった数々の面で大橋の存在が森下を助けた。それでも、あえて少しシニカルに見れば、どうしても国籍面でファンから大橋との比較を免れない森下にとっては、ある意味で「高い期待値」を課された状態でのスタートだったとも言えるかもしれない。

 そうして残したシーズンの成績はリーグ戦37試合出場、4ゴール9アシスト(リーグ4位タイ/オープンプレーに限れば7アシストで3位タイ)。開幕後の加入だったこと、そして冬場に負傷離脱があったことを思えば、まさしくチームの主軸と呼ぶに相応しい成績だ。

 シーズン最終戦後に行われたセレモニーの場で、彼はファンが選ぶクラブ年間最優秀選手に輝いた。

グラフにも表れるポーランドからイングランドに移管した適応ぶり

 12月、別媒体のインタビューで彼に話を聞いた。その時に彼が強調していたのは、いかに「数字を残す」のが大事かということ。常に明るく、コミュニケーションを絶やさず、試合の中でも攻守両面に気の利いたプレーを持ち味の1つとする選手だからこそ、その彼の口から出てくる野心と決意に満ちた言葉の数々に良い意味で驚かされたことを覚えている。

イーウッド・パークの観客の前で初めてゴールという「数字を残した」首位コベントリー戦。それがこの熱狂的なセレブレーションにつながった

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Profile

秋吉 圭(EFLから見るフットボール)

1996年生まれ。高校時代にEFL(英2、3、4部)についての発信活動を開始し、社会学的な視点やUnderlying Dataを用いた独自の角度を意識しながら、「世界最高の下部リーグ」と信じるEFLの幅広い魅力を伝えるべく執筆を行う。小学5年生からのバーミンガムファンで、2023-24シーズンには1年間現地に移住しカップ戦も含めた全試合観戦を達成し、クラブが選ぶ同季の年間最優秀サポーター賞を受賞した。X:@Japanesethe72

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