ビクトル・ムニョス(スペイン):「26番目」の超新星はヤマルやニコとも違う“直線的”“陸上風”ドリブラー
【特集】北中米W杯で輝く次世代スターの軌跡 #2
ビクトル・ムニョス(スペイン代表)
エンドリッキ(ブラジル)、ビクトル・ムニョス(スペイン)、ラヤン・シェルキ(フランス)、ジュリアーノ・シメオネ(アルゼンチン)、エリオット・アンダーソン(イングランド)、アルダ・ギュレル(トルコ)――ロシア大会で数々の記録を塗り替えながら、当時19歳でフランスの20年ぶり優勝を牽引したキリアン・ムバッペのように、初出場のW杯で主役の座へと駆け上がり、次のサッカー界を背負っていくU-23の新星は誰か? そして彼らの世界を驚かせる才能は、一体どのような「環境」と「育成」で磨かれてきたのか? 北中米大会で輝くであろう、次世代スターたちの軌跡をたどる。
第2回は、今年3月に代表デビューしたばかりで、EURO2024優勝メンバー中心の“ラ・ロハ”に割って入ったオサスナの22歳、ビクトル・ムニョスの“清々しい”ウインガー像について。
いつでも半身&前傾姿勢で、勝負の場所と時を待つ
ビクトル・ムニョスは26番目の男だったと思う。もしフェルミン・ロペス(バルセロナ)がケガをしていなかったらメンバー入りしていなかったのではないか。実績は26人の中でも最も少ない。バルセロナ生まれでバルセロナの下部組織にもレアル・マドリーの下部組織にも所属したことがあるが、エリート街道とはほど遠く、3季前までスペインサッカー連盟3部リーグ(5部相当)に参戦していた。アンダー代表経験は一切なく、A代表入りも3月に呼ばれ2試合でプレーしただけ。リーガのセンセーションとはいえ今季が実質的デビューシーズンで、しかも花開いたのはレアル・マドリーから放出された先のオサスナでのことだったのだ。
だが、そんな彼がスペイン代表のW杯デビュー、カーボベルデ戦(グループH第1節)で先発としてグラウンドに立っている姿を見られるかもしれない。ラミン・ヤマル(バルセロナ)がシーズン終盤欠場する原因となったケガからの回復が間に合うか未知数で、対戦相手を考えると無理をさせる手はない。ルイス・デ・ラ・フエンテ監督の右ウインガーの2番手はビクトル・ムニョスなので、1年前までほぼ無名の26番目の男が開幕戦に先発というシンデレラストーリーが実現する可能性は低くない。
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Profile
木村 浩嗣
編集者を経て94年にスペインへ。98年、99年と同国サッカー連盟の監督ライセンスを取得し少年チームを指導。06年の創刊時から務めた『footballista』編集長を15年7月に辞し、フリーに。17年にユース指導を休止する一方、映画関連の執筆に進出。グアルディオラ、イエロ、リージョ、パコ・へメス、ブトラゲーニョ、メンディリバル、セティエン、アベラルド、マルセリーノ、モンチ、エウセビオら一家言ある人へインタビュー経験多数。
