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セリエA首位とは質と完成度に差も「特に修正はない」。鎌田大地がつかんだ逆転への手応え【フランクフルト 0-2 ナポリ】

2023.02.27

CLラウンド16で長谷部誠と鎌田大地が所属するフランクフルトはナポリと対戦。今季セリエAで首位を独走する古豪をホームに迎えたものの、ファーストレグを0-2で落としてしまった。両チームにどのような差があったのか、そしてセカンドレグに希望はあるのか、ドイツ在住で現地取材した中野吉之伴氏が振り返る。

「大きな差」を感じたナポリのファーストタッチ

 CL決勝トーナメント1回戦のファーストレグでナポリをホームに迎えた元日本代表キャプテンの長谷部誠と日本代表MF鎌田大地が所属するフランクフルトは、0-2で敗れた。フランクフルトは序盤こそ前線からの激しいプレスとボール奪取後の素早い攻撃への切り替えで五分五分の展開へ持ち込むことができていたが、後半はナポリに試合の流れを完ぺきにコントロールされていく。現在イタリアのセリエAで首位独走状態のナポリとの差はチームとしての完成度だった。

 前線からの組織だった連続プレスをフランクフルトの守備陣はかいくぐることができず、フランス代表FWランダル・コロ・ムアニが前線でなんとかロングボールを収めようとするが、常に複数のDFに囲まれてしまう。そのコロ・ムアニが58分にレッドカードでの退場処分となった段階で、この日のフランクフルトにできることに限界があったのは確か。

 鎌田もナポリのクオリティについて高い評価を口にしていた。

 「ナポリの前の3人のクオリティはもちろんあるし、後ろからパスを出す選手たちもクオリティがある。(今日のような展開が)起こり得るっていうのは試合前から分析をしていたし、ワンタッチでああいうところを狙ってるっていうのを自分たちがわかってる状態で失点してしまったんで。やっぱり少しのそういう部分の差が大きな差なのかなと思います」

 フランクフルトの最初の失点シーンを振り返ってみよう。相手陣内でボールを持ったドイツ代表FWマリオ・ゲッツェが左サイドのフィリップ・マックスへパスを出そうとしたところでインターセプトされる。攻撃への効果的な切り替えをするためには、ボール奪取後のファーストタッチが大きな意味を持つ。……

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フランクフルト鎌田大地

Profile

中野 吉之伴

1977年生まれ。滞独19年。09年7月にドイツサッカー連盟公認A級ライセンスを取得(UEFA-Aレベル)後、SCフライブルクU-15チームで研修を受ける。現在は元ブンデスリーガクラブのフライブルガーFCでU-13監督を務める。15年より帰国時に全国各地でサッカー講習会を開催し、グラスルーツに寄り添った活動を行っている。 17年10月よりWEBマガジン「中野吉之伴 子どもと育つ」(https://www.targma.jp/kichi-maga/)の配信をスタート。

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