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地上戦で優位に立ったバルセロナが、バイエルンに快適に試合を運ばれた理由を分析する【バルセロナ 0-3 バイエルン】

2022.10.29

今季のCLグループステージ(GS)屈指のビッグマッチとなった、バルセロナとバイエルンの対戦。特に今回は、クラシコでの敗戦後立て続けに好パフォーマンスを披露したバルセロナのサッカーが、強豪であり直接対決で連敗中のバイエルン相手にどこまで機能するのかという点が注目された。試合前にバルセロナのGS敗退が決まったことで完全なる試金石とはならなかったものの、この試合のピッチ上から見えてきた部分についてらいかーると氏が分析する。

 バイエルン戦が始まる前に、他会場の結果を受けて決勝ラウンドに進めないことが決まってしまったバルセロナ。力の差をまざまざと見せつけられたクラシコの敗戦後、ビジャレアル、アスレティック・ビルバオをバルセロナらしいフットボールで退けたストーリーに水を差すニュースとなった。モチベーションを発揮できそうなカンプノウで行われた試合とはいえ、モチベーションを維持することが難しい状況となってしまったことは試合を観戦する前提条件として念頭に置くべきだろう。

地上が駄目なら空を使う準備があるかどうか

 両チームのプレッシングのルールには似通っている点があった。お互いの中盤の選手をほぼマンマークで捕まえる点である。特にバイエルンはフレンキー・デ・ヨンクにヨシュア・キミッヒ、フランク・ケシエにレオン・ゴレツカ、セルヒオ・ブスケッツにジャマル・ムシアラを徹底的にぶつけることで、バルセロナに中盤を経由したボール保持を許さない強い意思を見せていた。

 開始早々の相手陣地でのプレッシングを象徴とするように、この試合のモチベーションが難しそうなバルセロナは攻撃的な姿勢をカンプノウに見せつけていた。ボール保持を知り尽くしているシャビにとって、ボール保持への効果的な対策はマンマークなのだろう。実際、バイエルンがショートパスによる前進を試みた場面はほとんど失敗に終わっている。

 バルセロナのプレッシングに比べると、バイエルンの方はマルク・アンドレ・テア・シュテーゲンまでプレッシングに行くことはなく、センターサークル付近から構える形が多かった。よってCBがボールを持てる、または持たせられたことから、バルセロナの方がボールを保持する展開へ時間の経過とともに試合は変化していった。

 バルセロナの意図ではフレンキーの列を下りる動きとフレンキーの移動によってスペースメイクされたエリアを、ペドリとロベルト・レバンドフスキが共有する形となっていた。しかし、フレンキーに対してキミッヒがどこまでもついていったこと、バイエルンのCBたちが1対1を受け入れたこともあって、可変式による配置のずれが生まれそうな気配はなかった。レバンドフスキとペドリが同じレーンにいて、どちらかをフリーにする仕組みは確実に狙ってやっていると感じた。……

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UEFAチャンピオンズリーグバイエルンバルセロナ

Profile

らいかーると

昭和生まれ平成育ち。サッカー指導者にもかかわらず、様々な媒体で記事を寄稿するようになってしまった。ただ、書くことは非常に勉強になるので、他の指導者も参加してくれないかなと心のどこかで願っている。好きなバンドは、マンチェスター出身のNew Order。 著書に『アナリシス・アイ サッカーの面白い戦術分析の方法、教えます』