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スイスの名将不在の穴を埋めるのは「名解説者」!? 成否の鍵は鈴木優磨+上田綺世(?)の最前線

2022.02.16

クラブ結成当初からの「ブラジル路線」で知られる鹿島アントラーズが今季初めて欧州出身の指揮官を迎えた。スイス出身で、アンデルレヒトを率いてベルギー王者になったこともあるレネ・ヴァイラー監督の手腕に注目も集まるところだが、コロナ禍の影響で未だ来日できていない。代わって、実質的にチームの指揮を執るのは、岩政大樹コーチ。「名解説者」として知られた同コーチの手腕と、鹿島の新チームに関する可能性に、敏腕番記者・田中滋が迫った。

現場は岩政コーチに託された

 鹿島アントラーズのチーム作りが進んでいる。新監督に就任したレネ・ヴァイラーがコロナ禍の影響でいまだに入国できない状況が続くが、留守を預かる岩政大樹コーチが目に見える形として鹿島を新たなカタチへと作り変えている。

 13日に行われた水戸ホーリーホックとのプレシーズンマッチである「いばらきサッカーフェスティバル」において監督代行として指揮を執った岩政コーチは、入国できない監督とのやりとりを次のように進めていると話す。

 「基本的には僕から報告ベースで話をして、それについて監督からアドバイスをもらうという形で進めています。監督から必要以上にこちらに要求を出すということはないですね。現場を尊重していただいているところが現状としてあります」

 つまり、監督からはチーム作りのだいたいの指針やスケジュールは提示されるが、メニューの立案など具体的な施策は現場にいる岩政ら日本人スタッフに任されている。監督が設定したタイミングで練習試合を行い、そこで出た課題を次の練習で修正する、といったことを繰り返してチーム作りを進めてきたわけだ。

 ヴァイラー監督にすれば大胆な決断だったに違いない。長年連れ添ったコーチングスタッフであればまだしも、まだ顔も合わせていない岩政ら日本人スタッフに「みんなのことを信頼している」と託したのだから、本心は気が気でないかもしれない。ただ、オンラインでのミーティングには限度があり、トレーニングに対する選手の反応も現場にいなければわからないところが多い。この状況で最大の効果を得るために最も現実的な判断を下したと言える。

2022シーズンの新体制発表会見にもオンラインで出席したヴァイラー新監督。ファン・サポーターにメッセージを送っている

 こうした状況について、チーム内の空気は前向きだ。岩政コーチが提示するトレーニングに、選手たちが上々の反応を示しているからだ。例えば、ディエゴ・ピトゥカはサントスFC在籍時にアルゼンチン人監督のホルヘ・サンパオリ、ポルトを3連覇に導いたポルトガル人のジェズアウド・フェレイラの下でプレーした経験を持つが、その彼も「鹿島でもプレーした経験があり、ものすごく理解度の高い指導者だと思います」と好感触を得た様子だった。

名解説者の「言葉」の力

 岩政コーチの入り方もうまかった。シーズンが始まると、早々に昨季までの課題について改善策を提示。旧来の球際や切り替えの速さばかりが強調されるやり方に限界を感じていた選手たちに、「相手を見る」とはどういうことかを例示しつつ、そこから導き出される立ち位置を伝えた。……

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レネ・ヴァイラー岩政大樹戦術鹿島アントラーズ

Profile

田中 滋

サッカーライター。08年よりサッカー専門新聞『EL GOLAZO』にて鹿島アントラーズを担当。有料WEBマガジン『GELマガ』も主催する。著書に『世界一に迫った日 鹿島アントラーズクラブW杯激闘録』など。