
昨シーズン途中就任したトーマス・トゥヘル監督の下でCL制覇を遂げたチェルシー。トゥヘル体制2季目となる今シーズン、リーグ戦では首位争いを演じ、国内外のカップ戦でも勝ち残っているチームを指揮官はいかに進化させようとしているのか。その変化を分析する。
マンチェスター・シティ、リバプール、そしてチェルシー。2021-22のプレミアリーグの覇権争いは、まだ前半戦ながらこの3チームに絞られたといって良いだろう。
その中で、昨シーズンCLを制したトーマス・トゥヘル率いるチェルシーは驕ることなく課題の克服に着手し、戦力の整備や新たな戦術への挑戦を行っている真っ最中だ。
彼らの課題は[5-2-3]というシステム的な弱点であるセット守備と、時おり停滞する攻撃の流動性にあった。これらの課題に対してトゥヘルは、「偽ウイングバック(WB)」とも言える新たなタスクを与えるなどいくつかの策を講じることで克服し、進化を遂げようとしている。
そんなチェルシーの課題の「解決策」を紐解いていく。
「偽ウイングバック」のメカニズム
チェルシーは[3-4-2-1]で攻撃を展開していくが、非常にバランスの良いシステムであるがゆえにポジションチェンジや複数人での連動が起こりにくく、攻撃が停滞するケースが散見されていた。……
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Profile
とんとん
1993年生まれ、長野県在住。愛するクラブはボルシアMG。当時の監督ルシアン・ファブレのサッカーに魅了され戦術の奥深さの虜に。以降は海外の戦術文献を読み漁り知見を広げ、Twitter( @sabaku1132 )でアウトプット。最近開設した戦術分析ブログ~鳥の眼~では、ブンデスリーガや戦術的に強い特徴を持つチームを中心にマッチレビューや組織分析を行う、戦術分析ブロガー。