10月中旬、バイエルンとの首位決戦にこそ敗れたものの今季序盤のブンデスリーガをリードしてきたレバークーゼン。その攻撃の中心にいるのがフロリアン・ビルツであることを疑う人はいないだろう。17歳と15日でブンデスリーガデビューを果たしてクラブ史上最年少記録を更新すると、成長を続け18歳にして強豪になくてはならない存在となっている俊英の凄みを明らかにする。
ブンデスリーガ9月の月間MVPを受賞し、ここまでリーグ戦8試合で523分間プレーし4ゴール6アシストを記録。今ブンデスリーガで、そして世界の10代で最も勢いのある選手の一人がレバークーゼンのトップ下、2003年生まれの18歳フロリアン・ビルツだ。
同じく10代で18歳ながらスペイン代表としてEURO2020でも活躍を見せたバルセロナのペドリにプレースタイルが近く、実力・ポテンシャルともに引けを取らないプレーヤーである。ペドリやジュード・ベリンガム、アンス・ファティやジャマル・ムシアラ、エドゥアルド・カマビンガらと並び世界の10代のプレーヤーの中で最も傑出した選手の1人であることは間違いなく、その市場価値は6000万ポンド(約)に迫る勢いだ。
好調を維持するレバークーゼンの攻撃を司る存在でもあるビルツの一番の強みは、敵のDFと中盤のライン間の「広げ方」と、死角を突いたライン間への「入り方」といった敵中盤ラインをかき乱す動きだ。実際にどのように実行しているのか、レバークーゼンの攻撃の特徴とともに紐解いていく。
チームの攻撃に不可欠な存在
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Profile
とんとん
1993年生まれ、長野県在住。愛するクラブはボルシアMG。当時の監督ルシアン・ファブレのサッカーに魅了され戦術の奥深さの虜に。以降は海外の戦術文献を読み漁り知見を広げ、Twitter( @sabaku1132 )でアウトプット。最近開設した戦術分析ブログ~鳥の眼~では、ブンデスリーガや戦術的に強い特徴を持つチームを中心にマッチレビューや組織分析を行う、戦術分析ブロガー。