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「創造者+労働者2.0」レアルの未来、カマビンガが切り拓く新たな地平

2021.10.25

クラシコでは出番がなかったが、フランス代表の18歳エドゥアルド・カマビンガがレアル・マドリー移籍1年目から確かな存在感を見せている。早くから彼の才能を高く評価してきた西部謙司氏が、桁外れのスケールを持つMFの可能性を解説する。

 読売クラブ(現在の東京ヴェルディ)がラモス・ソブリーニョという若いブラジル人の獲得を決めた時、「スイーパーとセンターフォワードができる」という情報が届いていた。「スイーパーとストッパーの間違いじゃないのか?」という人もいた。ところが、来日してみると実際にスイーパーとセンターフォワードのどちらでもプレーできて、さらにMFとして適性があるとわかった。のちに帰化して、ラモス瑠偉は日本代表の10番を背負った。

 スイーパーとストッパーならどちらもセンターバックなので、両方できても不思議ではない。ただ、センターバックとセンターフォワードも空中戦の強さという共通項があるから、コンバートとしてはあり得ない話ではない。ポジションごとに求められる能力は違うとはいえ、共通項のあるポジションで互換性があるのは普通である。

万能の希少種

 しかし、どのポジションでもプレーできる万能選手となると稀だ。エドゥアルド・カマビンガはその希少種の1人である。

 16歳でリーグ1のレンヌでトップデビュー、ヨーロッパ5大リーグでもトップクラスのタックル成功数で注目された。182cmと身長もあり、利き足の左足を相手の懐に差し込むタックルが特徴的で、次々とボール奪取に成功していた。そもそもボールを奪うには相手に近づかなければ無理なので、それだけの運動量と走力は不可欠。距離1mまで寄せきってピタリとバランスよく止まれる能力も問われる。そのすべてを16歳時点で持っていただけでも「エンゴロ・カンテ二世」と呼んでいいと思うが、これはカマビンガの才能の半分でしかない。

2019年11月に17歳の誕生日を迎えたカマビンガを祝福し、 16歳時のプレーを振り返るリーグ1公式Twitter

 シルクのボールタッチと機敏でしなやかなステップワークで相手を手玉に取るドリブラーでもあった。さらに左足のキックが正確で、長短を問わず精度の高いパスを繰り出す。状況判断もよく試合展開を読める。FWもMFもDFもできる。中央もサイドもオーケー。単に「こなせる」というレベルではなく、どのポジションでも「一流」になれる素質を示していた。

ポジションの越境者たち

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エドゥアルド・カマビンガレアル・マドリー

Profile

西部 謙司

1962年9月27日、東京都生まれ。早稲田大学教育学部卒業後、会社員を経て、学研『ストライカー』の編集部勤務。95~98年にフランスのパリに住み、欧州サッカーを取材。02年にフリーランスとなる。『戦術リストランテV サッカーの解釈を変える最先端の戦術用語』(小社刊)が発売中。