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フランクフルトの“闘将”長谷部誠が語る、勝つために必要なメンタリティ

2020.10.30

 10月28日の『キッカー』は、今月31日のブレーメン戦を前にしたフランクフルトの長谷部誠のコメントを紹介した。36歳とブンデスリーガ現役最高齢ながら、ここまでのリーグ戦5試合で全試合出場を果たしている。経験豊富な“闘将”となった長谷部は、欧州の舞台を目指すフランクフルトの現状に警笛を鳴らした。

“メンタリティ”をプレーで定義

 「自分たちはメンタリティを変えないといけない」という今年2月のウニオン・ベルリン戦後の長谷部のコメントを、同誌は紹介している。

 「自分たちは安定したプレーができていない。チームはローテーションこそしているものの、十分なクオリティを持った選手がそろっている。このウニオン・ベルリン戦では、単純にメンタリティが欠けていた」

 長谷部は、そこから曖昧な“メンタリティ”という言葉を、ピッチ上の行為に言い換える。メンタリティとは「1対1のデュエルの動き、最後のところでしっかりとやり切ること」だという。

 つまり、ボールを奪い合ったらしっかり取り切ること。守備ならば、最後まで相手にきっちり寄せること。攻撃ならば最後まで打ち切ることを指している。それぞれのワンプレーをきっちりとやり切ることの積み重ねが、勝ち切ることにつながる。試合によって、時に顔を出す気を抜いたプレーが勝敗に直結していることを肌で感じているのだ。

ベテランとして鳴らす“警笛”

 フランクフルトが持つこの癖は、新シーズンになっても抜けていないようだ。「開幕節のビーレフェルト戦、そして第4節ケルン戦 (ともに1-1) で勝ち点4を取りそこねた。ここまでは妥当なパフォーマンスを見せてきたと思う。でも、(UEFAチャンピオンズリーグやUEFAヨーロッパリーグなどの)国際大会でプレーするなら、もっとパフォーマンスを上げていかないといけない」とし、「このままではその舞台には届かない」と警笛を鳴らす。

 0-5で敗れた前節のバイエルン戦でも、クオリティの問題ではなく、最初から「戦おうとする意志が弱かった」ことを指摘した。そして「酷い出来だった」と自分たちに厳しい評価を下し、「自分たちのメンタリティをもっとしっかりしないといけない」と檄を飛ばす。

 長谷部は今週末のブレーメン戦、そして続くシュトゥットガルト戦が今季の行方を占うと見ている。

 「この2試合は何としても勝ちたい。この2試合は、決定的な試合というわけではないが、今季の行き先を示す試合になる」

 序盤ともいえる第6節、第7節だが、上位で欧州カップ戦への出場権を争うのか、下位で残留争いに加わるのか、明暗を分ける2試合になると見ているようだ。

「歯を食いしばり、気持ちで戦う」

 10月31日のブレーメン戦は、新型コロナウイルス(Covid-19)感染拡大の第2波の影響で、無観客試合が決まった。

 スタジアムでファンたちのサポートがないことは「残念だ」と前置きした上で、「ファンがいなくとも、歯を食いしばって、気持ちで戦わないといけない」と先に述べた泥臭いとも言える“メンタリティ”を強調した。この2戦をきっちりと勝ち切れれば、再びヨーロッパの舞台も現実味を帯びてくる。

 『シュポルトビルト』では「年齢は決定的な要素ではない。その選手が“飢えているかどうか”だ」というアディ・ヒュッター監督のコメントが紹介されている。スポーツディレクターのフレディ・ボビッチによると、現在の調子が続くようなら、もう1年の契約延長も考えられるという。

 長谷部誠の貪欲に勝利を目指す“闘志”は、まだ衰えていない。


Photo: Getty Images

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フランクフルト長谷部誠

Profile

鈴木 達朗

宮城県出身、2006年よりドイツ在住。2008年、ベルリンでドイツ文学修士過程中に当時プレーしていたクラブから頼まれてサッカーコーチに。卒業後は縁あってスポーツ取材、記事執筆の世界へ進出。運と周囲の人々のおかげで現在まで活動を続ける。ベルリンを拠点に、ピッチ内外の現場で活動する人間として先行事例になりそうな情報を共有することを心がけている。footballista読者の発想のヒントになれば幸いです。