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イタリア、サッカー再開が決定。コッパ・イタリアの日程には不満も

2020.05.31

 新型コロナウイルス感染症の拡大により中断となっていたセリエAが、6月20日より再開されることが決定した。

まずはコッパ・イタリア準決勝から

 同日、スポーツ省のビンチェンツォ・スパダフォーラ大臣とイタリアサッカー連盟(FIGC)のガブリエレ・グラビーナ会長、またセリエA、B、Cの代表者らがビデオ会議を実施。専門者委員会がFIGCから提出された感染防止のガイドラインを承認したことを受け、リーグ戦の正式なリスタートが決定された。

 6月13日から17日までの間にコッパ・イタリア準決勝、決勝も行われる見通しだと発表され、またセリエBも6月20日の再開が決定。セリエCについては、7月以降に昇格プレーオフと降格プレーアウトのみを開催する可能性も含めて検討が続けられている。

 スパダフォーラ大臣は地元各メディアの取材に対し「イタリアの国が(ロックダウンから)再スタートを切っている以上、サッカーもまた再開されるのが正しい。今はリーグ戦が再開される条件が整った」と語った。

 グラビーナ会長も「全国に希望与えるメッセージだ。私はうれしく、そして満足している」とコメント。レガ・セリエAのパオロ・ダル・ピーノ会長は「ただサッカーのためを思い、その将来を守るために働いてきた。セリエAにとって、これが世界で最も美しいリーグの復帰を意味するものでなければならないからだ」と再開に向けた準備が実ったことに満足感を示していた。

過密日程にはクラブから不満も

 もっとも、再開されるリーグ戦の遂行については課題も残る。これまで焦点となっていたのは感染者が出た場合の対応だが、専門者委員会は「選手に感染者が1人出たらチーム丸ごと合宿で隔離措置とする」という規定を譲らなかった。

 また現在、イタリアでは新規感染者数、重篤患者数に死者数、またウイルス感染の実行基本再生産数ともに減少をしているが、今後感染カーブが再び上昇に転じた時には再度の中断が避けられないことになる。

 その場合には、対案として順位決定のプレーオフの開催、それも難しければ順位凍結の案も提示された。

 そしてもう1つ、再開決定後の細かな日程についても実はまだ本決定ではない。29日のレガ・セリエAの代表者会議で、コッパ・イタリアの準決勝の期日には各クラブから反対の声が寄せられたのだ。

 地上波でサッカーの試合を流してほしい、という政府側の要請によって準決勝は7月13日と14日に設定されたが、決勝が17日で非常に日程が接近していることから、インテル、ミラン、ユベントスが反発。インテルに至っては「ナポリ戦ではプリマベーラを送る」などと抗議したという。

 結局、会議で決定は先送り。各クラブは準決勝の期日を前倒しするよう要求しているが、国の法令上6月14日までスポーツの催し物は禁止となっている。すでに特例措置として1日前の開催が認められたが、さらに前倒しできるかどうかは不透明。イタリアサッカー選手協会からは夏期を迎えての試合開催時間にも懸念が示されており、検討事項はまだまだ多い。


Photo: Getty Images

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Profile

神尾 光臣

1973年福岡県生まれ。2003年からイタリアはジェノバでカルチョの取材を始めたが、2011年、長友のインテル電撃移籍をきっかけに突如“上京”を決意。現在はミラノ近郊のサロンノに在住し、シチリアの海と太陽を時々懐かしみつつ、取材・執筆に勤しむ。

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