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5月16日再開のブンデスリーガ…ナーゲルスマンが語る監督としての見解

2020.05.09

 5月7日、ドイツサッカーリーグ機構(DFL)はブンデスリーガ1部および2部の再開日を決定した。5月16日のリスタートに向けて、RBライプツィヒを率いるユリアン・ナーゲルスマンは、8日に『ビルト』でのインタビューに答えた。

選手交代枠が5に増えても…?

 5月16日のホームでのフライブルク戦は、約2カ月間にも及ぶ中断期間を経ての初戦となる。指揮官も待ちきれない様子を見せた。「とても喜んでいる。選手たちとともに、みながそろって再びピッチに立つことができたのは、良いことだね」と全体練習を振り返り、監督としての楽しみを再確認した。

 初戦を迎える1週間前にチーム全体を隔離する必要があるため、土曜日からはチームの練習場に“合宿”を張る形となり、勝ち点3に向けて備える。ピッチ脇での采配に向けても、イメージをつかみつつあるようだ。

 采配にも直接影響を与えるFIFAによる選手交代5人案が、ブンデスリーガでも適用される。これには、現場の監督としては懐疑的な目を向ける。「試合のためのフィットネスという観点から見ると、悪いアイディアではない。でも、試合に慣れればコンディションはすぐに戻る。この数週間、僕らはコパカバーナのビーチで休暇を過ごしていたわけではないからね」と、選手たちのコンディションに大きな不安がないことを強調した。

 その一方で、「どちらかと言えば、この交代枠が戦術的に使われてしまうことを危惧している。おそらく、試合終了間際の時間稼ぎに使うチームも出てくるだろう。そうなってしまうようなら、“紳士協定”を結んでルールを濫用しないようにしたいね」と他チームの監督たちを牽制した。

無観客の中、マスク着用で指示。変化は?

 16日に再開後の初戦が終わると、チームは通常通り自宅からトレーニングに通う生活となる。それでも、厳しい衛生基準を課せられているようだ。「練習場でトレーニングを終えたら、そのまま自宅に直帰しなければならない。それに、(外出が認められている)給油、買い物、散歩の際はマスクを付けなければならない。PCRテストも週3回行われる」と今後のリズムを説明した。

 実際にスタジアムに立った時のイメージもつかめている。マスクを付けてテクニカルエリアに立つことになるが、そのための準備も進めている。

 「土曜日の試合前のトレーニングで、少なくとも10分ぐらいはトレーニングしないといけないね。DFLの規則によると、大声で指示を出す短い時間は、マスクを外すことは認められている。その後、すぐにマスクを付けないといけないから、耳にかけるゴムは伸縮性が必要になる」

 さらに、自身も育成年代の監督だったことから、無観客に近いスタジアムでの試合の雰囲気も理解している。

 「全体的に、これまでよりも抑えたトーンで指示を出すことになるだろう。あまりに騒がしくならないようにしないといけないし、選手たちに要求しすぎないようにもする必要がある。簡単な仕事ではないよ」

 RBライプツィヒのユリアン・ナーゲルスマンと同様に、フライブルクを率いるクリスティアン・シュトライヒも、テクニカルエリアでの熱いコーチングで有名だ。育成年代の指導も長いだけに、無観客のスタジアムで声が響くことも理解しているはず。これまでタッチライン際で大声を出す姿が目立った両指揮官の振る舞いの変化にも注目したい。


Photo: Getty Images

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Profile

鈴木 達朗

宮城県出身、2006年よりドイツ在住。2008年、ベルリンでドイツ文学修士過程中に当時プレーしていたクラブから頼まれてサッカーコーチに。卒業後は縁あってスポーツ取材、記事執筆の世界へ進出。運と周囲の人々のおかげで現在まで活動を続ける。ベルリンを拠点に、ピッチ内外の現場で活動する人間として先行事例になりそうな情報を共有することを心がけている。footballista読者の発想のヒントになれば幸いです。

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