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U-20ブラジル代表監督として好スタートを切った元Jリーガー

2022.08.20

 8月15日、U-20ブラジル代表のラモン・メネーゼス監督が、9月にウルグアイで行われる国際トーナメントに向けた招集メンバー発表会見を行った。

 ラモンは2003年、東京ヴェルディで攻撃的MFとしてプレーした。ブラジル代表としても活躍し、日本と韓国で開催された2001年FIFAコンフェデレーションズカップでは、代表メンバーとして来日している。

 そのラモンが、今年3月にU-20ブラジル代表監督に就任した。その時点で49歳。40歳まで選手としてプレーし、現役引退した直後からアシスタントコーチとして指導者の道を歩み始めた。

 その2年後、2015年からはブラジルのクラブで監督を歴任している。その中には中小規模のクラブもあれば、バスコ・ダ・ガマやビトーリアといったビッグクラブもある。

「この世代は非常に有望」

 現時点でラモンとブラジルサッカー連盟が取り組んでいるのは、来年のU-20ワールドカップ出場権を懸けて来年年1月から2月に開催されるU-20南米選手権のための準備だ。

 就任後、最初の合宿は今年3月のサルバドール(ブラジル)にて。地元3クラブと練習試合を行い、3勝した。

 2度目は6月にエスピリットサント州(ブラジル)で開催された、南米4カ国によるU-20国際トーナメント。ブラジルはパラグアイに5-2、エクアドルに4-1、ウルグアイに7-0と3戦全勝し、優勝した。

6月の国際トーナメントでは3戦全勝で優勝を飾った(Photo: Pedro Vale/CBF)

 今回の大会は開催国ウルグアイの他に、ブラジル、アルゼンチン、ウズベキスタンが参加する。ラモンにとっては3度目の練習と実戦の機会となる上に、U-20南米選手権で戦う相手とも対戦できる。

 その招集会見で、彼のU-20代表監督としての仕事について聞いた。好スタートを切った中で、就任前に予想した以上に良かったこと、逆に難しさを感じることとは何なのか。

ラモンは「まずは、ハジメマシテ、ラモンデス」と、元Jリーガーらしく笑顔で日本語を披露した後、こう答えた。

 「ここでの仕事はクラブとは全く違うものだ。選手たちと日々一緒にいるわけではないから、短い準備期間を非常に良く生かさなければならない。僕にとっての最初の合宿は、2、3日練習しただけで、もう試合だった。短期間ですべての準備をすること。多分、それが最も難しいところだ」

 「しかし、ブラジルサッカーの下部組織の仕事に『おめでとう』を言いたいよ。素晴らしい選手たちがいるし、非常にプロ意識も高い。戦術の理解力もある。僕らは準備の整った選手たちをここで受け取っているんだ。この世代は非常に有望だ」

記者会見では日本語で挨拶する場面もあったという(Photo: CBFTV)

若手のことを誰より理解

 3度目の招集は、継続性を持たせた最初の2回とは違い、23人中10人が初招集の選手となった。

 「ベースのメンテナンスをすることは重要だ。すでに僕の仕事を理解している選手を13人連れて行く一方で、新しい選手たちにも機会を与える」

 3回連続で招集されたFWマテウス・ナシメント(ボタフォゴ)は、18歳にしてすでにチームの主力の1人。レアル・マドリー、クリスタルパレス、リヨンあたりが獲得に乗り出している。

 「非常にインテリジェンスのある選手。ポストプレーもできるしゴールも決められる。ペナルティエリアで対戦相手を非常に悩ませるし、エリアの外でもプレーできる。守る時にはチームを手助けしてくれる。彼はもう3度目の招集だし、同じFWのアンジェロは初招集。それぞれに理想的なタイミングだと思っているし、我々を手助けしてくれる重要な選手たちだ」

18歳にしてチームの主力を務めるマテウス・ナシメント(Photo: Pedro Vale/CBF)

 また、今回唯一の海外組となったFWマルキーニョス初招集の理由を聞かれた時はこう答えた。彼はサンパウロからアーセナルに移籍したばかりの19歳だ。

 「我々の挑戦の1つは、選手たちの競争力を高めるということだ。特にFW陣に対してね。ブラジルのサッカーの特徴は、アドリブの効いた予測不可能なプレー。それが大切なものであると同時に、自分の役割を果たす力も重要になる。ここまでに招集した選手たちがそれを理解し、献身的に戦っていることを幸せに思うよ」

 彼自身も現役時代にはU-20代表として南米選手権で優勝し、1991年のU-20W杯で準優勝している。現役時代の終盤にはピッチ内の指導者のように若手をサポートしていたため、この世代の選手たちのことを十分に理解している。研究熱心で真面目な人物である一方で、若い選手たちの前で挨拶代わりの歌を披露するなど、陽気な面も発揮している。

 年代別代表の全カテゴリーを統括するコーディネーターであり、1994年W杯優勝メンバーでもあるブランコはこう語っていた。

 「ラモンはクオリティが高く、この仕事への準備もできている監督だ。現代的なプロフェッショナルであり、若い選手たちを統率することにも慣れている。さらに、元選手としてのあらゆる経験をもたらしてくれる。ピッチの内外でクラッキだったし、勝者のスピリットもある。我々は彼を選んだことに満足しているよ。これからもすべての大会で主役であり続け、A代表に送り込める選手たちを育てるという目標に向かって進んでいってほしい」

コーディネーターのブランコ(左)はラモンに全幅の信頼を寄せる。右は表敬訪問したリシャーリソン(Photo: Pedro Vale/CBF)


Photos: Foto FC/Pedro Vale/CBF, Pedro Vale/CBF, CBFTV

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Profile

藤原 清美

2001年、リオデジャネイロに拠点を移し、スポーツやドキュメンタリー、紀行などの分野で取材活動。特にサッカーではブラジル代表チームや選手の取材で世界中を飛び回り、日本とブラジル両国のTV・執筆等で成果を発表している。W杯6大会取材。著書に『セレソン 人生の勝者たち 「最強集団」から学ぶ15の言葉』(ソル・メディア)『感動!ブラジルサッカー』(講談社現代新書)。YouTube『Planeta Kiyomi』も運営中。