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昇格ゆえの危機。サレルニターナ規定接触にロティート会長激怒

2021.06.10

 来季のセリエAに昇格を果たしたサレルニターナの登録が危ぶまれている。同クラブの経営にはラツィオのクラウディオ・ロティート会長が共同経営者として参画しているが、セリエAにおいて複数のクラブ経営を掛け持ちすることはイタリアサッカー協会の(FIGC)の規定に接触するため、是正が求められているのだ。

現状では登録が不可に

 ロティート会長は2011年、義兄弟のマルコ・メッザローマ氏(現サレルニターナ会長)とともに経営難に陥っていたサレルニターナの経営権を取得した。以来ラツィオの下部組織で育てられた選手や保有権を所有している選手の受け皿として、実質上のサテライトチームとして用いてきた。

 ところがチームも強くなり、今シーズンのセリエBでは上位を快走してセリエA昇格を果たした。ここで問題が生じる。FIGCの規定により、同じカテゴリーのプロリーグにおいて同一オーナーが複数クラブの経営に携わることは禁じられているのだ。

 現在、サッカー関係者からは、一方の経営権を手放すように要求されている。「もし両クラブの保有権を持ち続ける場合は、(ラツィオかサレルニターナか)どちら一方が登録できないことになる」とFIGCのガブリエレ・グラビーナ会長は警告した。

 「セリエAでの2クラブの保有など受け入れられない」というトンマーゾ・ジュリーニ会長(カリアリ)ら他クラブからの非難も強く、レガ・セリエAはロティートに対し、6月25日を期限にどちらかの経営権を手放すよう求めた。さらに彼らは、サレルニターナのメッザローマ会長を6月7日に行われたレガ・セリエAのクラブ代表者会議に呼ばないことにした。

代表者会議に登場するなり激昂

 しかし、ロティート会長はこれに逆上した。ラツィオでの新型コロナウイルス感染対策プロトコル違反により12カ月間の資格停止処分を受けたため、会議には発言権のない「傍聴人」として出席していたが、地元メディアによれば会議で激昂。

 姿を見せるなりサレルニターナの関係者を呼ばなかった件で「レガ・セリエAの代表者を訴える」などと声を荒げ、「あなたはどういう資格でここにいらしているのか。ラツィオかサレルニターナか、どちらの代表としてだ?」と言い返したレガ・セリエAのパオロ・ダル・ピーノ会長と激しい口論になったという。

 ロティート会長らは「将来のクラブ経営が保証できない」という理由で、サレルニターナの株式の売却には難色を示し、当面の間は中立性の保証された組織企業体に経営を委託する方法を希望しているという。

 もっとも「複数のクラブ経営参画を禁じる規則は形式的なものであってはならない」という批判もあり、理解を得るのは難しい状況となっている。6月25日までの期限の間にどういう決断を下すかが注目される。


Photo: Getty Images

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クラウディオ・ロティートサレルニターナラツィオ

Profile

神尾 光臣

1973年福岡県生まれ。2003年からイタリアはジェノバでカルチョの取材を始めたが、2011年、長友のインテル電撃移籍をきっかけに突如“上京”を決意。現在はミラノ近郊のサロンノに在住し、シチリアの海と太陽を時々懐かしみつつ、取材・執筆に勤しむ。