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初昇格で健闘を見せるスペツィア、セリエAで6例目の北米資本クラブに

2021.02.13

 イタリアの各メディアは2月11日、スペツィアがアメリカの資本家へのクラブ売却交渉に合意したと報じた。これでローマミランフィオレンティーナ、ボローニャ、パルマに続き、セリエAの実に6クラブが北米資本になった。

「個人的な興味によるもの」

 今シーズンにクラブ史上初のセリエA昇格を果たしたスペツィアの買収に動いたのは、投資家のロバート・プラテク氏。米国の民間投資会社『MSDキャピタル』のビジネスパートナーを務めているが、今回の投資は「個人的な興味によるもの」だという。

 プラテク氏自身は欧州サッカーのビジネスに興味を示しており、すでにポルトガル2部のカーザ・ピア、デンマーク1部のスナユスケの経営権を取得。さらにプレミアリーグのバーンリーの買収にも一部資本参加し、サンダーランドの獲得にまで動いていたという。

 そして今回は、4000万ユーロの買収額で、クラブ運営会社の株式を100%抑えることとなった。

短期間で一気に交渉締結へ

 スペツィアはイタリア人投資家のガブリエレ・ボルピ氏が13年間に渡って経営を続けていた。2008年に倒産ならびに登録抹消の危機にあったクラブを救い、以後堅実な経営でセリエDから地道に運営を続けてセリエBに返り咲くと、2020年8月にはフロジノーネとのプレーオフを制し、セリエA昇格にも成功した。

 ただボルピ会長自身は年々経営への投資意欲を失っていたとされ、「試合もほとんど姿を見せなくなった」と地元紙では報じられていた。セリエA昇格の後も大型補強はおろか補強そのものが進まず、現場からは強い危惧がなされていた状態だった。

 だが今年1月の終わりから急速に話が進み、2月の頭で交渉が締結。その背後には、ロンドンの投資サービス会社『BGBウェストン』社の存在があるという。

 同社は数名のイタリア人によって設立された会社で、ミランが中国人投資家リー・ヨンホン氏の手にあった頃にはマルコ・ファッソーネCEO(当時)の命を受け、『エリオット』社と接触して債務の借り換えに当たったとされている。

 その後はイタリアサッカー界とアメリカの投資家を繋ぐ仲介役となり、個人投資家を呼び寄せてパルマやセリエBのピサの買収に成功させている。

 スペツィアは第21節終了時点で勝ち点21の16位。戦力を考えれば大健闘とも思える戦いを毎試合見せており、ルシアン・アグメを筆頭としたタレントも注目を集め始めている。

 そんな折に突如としてまとまったクラブの買収話。ビンチェンツォ・イタリアーノ監督は「ピッチの外でのこと。できる限り選手をこの話からは遠ざけてサッカーに集中させたい」と語っていたが、無事にまとまることとなった。


Photo: Getty Images

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Profile

神尾 光臣

1973年福岡県生まれ。2003年からイタリアはジェノバでカルチョの取材を始めたが、2011年、長友のインテル電撃移籍をきっかけに突如“上京”を決意。現在はミラノ近郊のサロンノに在住し、シチリアの海と太陽を時々懐かしみつつ、取材・執筆に勤しむ。