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スペインは2014年W杯で優勝できない?

2013.12.13

 「『スペインが優勝する』と言うほど、私は馬鹿ではない」と、デル・ボスケ、スペイン代表監督が本誌12月12日発売号のインタビューで断言しているのだ。国民の方が「そりゃそうだ」と合点してもおかしくない。

 6日に行われたワールドカップ(W杯)の組み合わせ抽選後、『エル・パイス』紙が実施したアンケートでは、スペイン優勝を予想した人は16%しかいない。1位がブラジルの31%、2位がアルゼンチンの23%で、4位はドイツの14%。その他も16%いる。スペイン国民の予想は、EURO2008前、国際舞台でさっぱり勝てない“有敵艦隊”時代の「とにかく悲観」から、EURO2012後までの“ビバ・エスパーニャ!”が合言葉の「すべてが楽観」を経て、冷静で妥当な見方へ落ち着いた感がある。

 その転換点となったのが、あの3-0となす術なく完敗したコンフェデレーションズカップ決勝。その後のW杯予選でも親善試合でも内容が悪く上積みが見られないとなると、いかに身贔屓のスペイン人とはいえ、ブラジル――しかもまた相手のホーム――には勝てない」となって当然だろう。

 そういう諦め交じりの空気があるからだろう、今回の抽選会は意外に盛り上がらなかった。スペインはご存じの通り、チリ、オランダ、オーストラリアと同組の難しいグループBに入った。「前大会のファイナリストが同組! FIFAは何か対策を採るべきだった」(02W杯を率いたカマーチョ)などの不運を嘆く声は当然上がった。が、翌日もぐちぐち言い続けることなく、話題は速やかにレアル・マドリーやバルセロナへ移った。グループ2位になればグループA首位抜け確実のブラジルと当たるからベスト16敗退の目も出て来たが、優勝できないのならいつ負けても同じ、と考える人が多くなったのだと思う。こういう優勝あるのみ、という発想は優勝経験国にしかないもので、これも一種の成熟ではないかと思う。

 もともとサッカーを見る目はある国民だが、優勝への渇望がその目を曇らせていた。前回大会で優勝後、今ちゃんと見てみると「まあ16%かな」となるわけだ。私もこの程度の確率かなと思う。W杯は甘くない。これだけあれば十分、大会を楽しめる。

優勝するためにジンクスで手助けを

 ところで、日本は良い組に入った。日本テレビの番組『サッカーアース』のアンケートに答えて、日本のグループステージ突破の可能性を33%(コロンビアが首位抜け。残り3チームは横一線なので)と答えたが、この確率は、例えばオランダやイングランドの突破確率と変わらないのではないか。オランダはスペイン、チリと同組だし、イングランドはウルグアイ、イタリアと同組だからだ。このグループDが「死の組」となるのだと思う。

 さて、劣勢の我がスペインをひとつ私の魔術で手助けしたい。よって「優勝候補はブラジルだ」とここに断言する。全然、手助けになってないと思うかもしれないが、私にはW杯の優勝予想がことごとく外れる、というジンクスがあるのだ。

 98年フランス大会ではスペイン、02年日韓大会ではフランス、06年ドイツ大会ではドイツ、10年南アフリカ大会ではブラジルを推し、結果はグループステージ敗退2度、準々決勝敗退1度、3位1度……。サッカージャーナリストとしてジンクスをブラジルに破ってほしい半面、愛着あるスペインに勝ってほしくもある。まあ、どっちに転がっても良し、としよう!

Photo: Getty Images

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W杯スペイン代表ブラジル代表日本代表木村浩嗣

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フットボリスタ 編集部