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ジェフェルソン・レルマ。玄人好みなコロンビアの守備職人

2019.06.26

footballista Pick Up Player

Jefferson LERMA
ジェフェルソン・レルマ
1994.10.25 179cm / 70kg
MF COLOMBIA

 近年のコロンビア代表は玄人好みの中盤が攻守両面で活躍するチームだった。通算71試合に出場したアベル・アギラールと88試合に出場したカルロス・サンチェス。C.サンチェスはロシアW杯で2度のPKを与えてしまったが、代表への貢献度は十分で、円滑なビルドアップを助けながら強靱な守備力でチームを支える2人は堅守を誇る組織的なコロンビアの象徴だった。

 現在、世代交代の中にある代表において、彼らの魂を受け継ぐ「総合力の高いMF」。それが、昨夏ボーンマスにクラブ史上最高の移籍金で加入したレルマだ。

 W杯では4試合に出場。決勝トーナメントにチームを導いた殊勲者を、コロンビア国民は英雄として出迎え、優勝パレードのように国旗を手にした人々が集った。

 実際、そのパフォーマンスは驚異的の一言。W杯初戦の日本戦では、開始早々10人になってしまったチームを冷静に統率した。絶対に追加点を奪われてはならない場面で、完璧にスペースを管理する守備能力を発揮するとともに、下がりながらボールを受けようとする香川真司を激しいタックルで迎撃。判断を誤れば守備組織に風穴が開いてしまうようなプレーを飄々とこなし、コロンビアに流れを呼び戻した。

 「理想の選手はエンゴロ・カンテ。プレースタイルも少し似ていると思う」と語るMFは、南米トップクラスのタックル精度を武器にする。対人の強さに加え、機動力を生かしたサイドのカバーにも対応する彼は、ハーフスペースから抜け出してくる選手を追うようなプレーも一流だ。SBとCB、どちらがマークすべきか悩むような場面でも、そのスピードと判断力によってカバーリング。CBが引き出されることを避け、チームの守備を安定させる。

 ボールだけを「からめ取ってしまう」スライディングも絶品で、アルトゥーロ・ビダル(チリ)を彷彿とさせるような「斜め後ろからのボール奪取」も得意技だ。普通の選手ならファウルになってしまう角度からでも、柔軟性を生かしてボールだけを弾き出す。

 トランジションの局面でのインターセプトも多く、常に相手のパスコースを意識していることも強みだ。通常であれば自陣へのリトリートに集中してしまうところを、レルマは狡猾にパスコースを把握しながらポジションを整える。

 2017-18シーズンまでプレーしたスペイン(レバンテ)で磨かれたボールスキルと長いレンジのサイドチェンジも兼ね備える24歳は、コロンビア代表の歴史に名を残すMFに成長するポテンシャルを有している。

Photo: Getty Images

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コロンビア代表ジェフェルソン・レルマ

Profile

結城 康平

1990年生まれ、宮崎県出身。ライターとして複数の媒体に記事を寄稿しつつ、サッカー観戦を面白くするためのアイディアを練りながら日々を過ごしている。好きなバンドは、エジンバラ出身のBlue Rose Code。