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コロナ禍の影響が色濃く出る中、南米予選が7カ月遅れでスタート

2020.10.08

 10月8日、W杯南米地区予選がいよいよ開幕する。

 当初3月にスタートする予定だったが新型コロナ禍から延期となり、その後南米サッカー連盟が加盟諸国と幾度も話し合いを重ねた末、感染拡大が続く中での開幕となる今回の予選。どの国の代表チームも万全の態勢を整えた上で挑むのが通常だが、やはりコロナが要因となる問題は避けられず、直接的な影響を受けているチームがいくつもある。

主力不在で戦う国が続出

 南米10カ国のうち、メンバーの招集においてコロナの影響を受けたのはコロンビア、エクアドル、ペルー、そしてベネズエラの4カ国だ。

 コロンビア代表においては、レギュラーGKでありチームをピッチ内外でまとめるリーダーでもあるダビド・オスピナが、所属先ナポリでの隔離措置のため渡航できず、予選出場を見送ることとなった。

 カルロス・ケイロス監督は第1節のベネズエラ戦と第2節のチリ戦に備えてオスピナの他に3人のGKを招集していたため、代わりにフィールドプレーヤーが入ることも予想されたが、「GKのポジションにおいてはさらに深い取り組みが必要」としてより多くの人材を起用する方針を示し、アメリカ・デ・カリ所属のGKエデル・チャウスを合流させている。

 予選開始の1カ月半前にアルゼンチン人のグスタボ・アルファロを新監督に迎えたばかりのエクアドル代表では、トレーニング開始前のPCR検査でGKジョハン・パディージャから陽性反応が検出。

 さらにロシアでプレーするベテランMFクリスティアン・ノボアが渡航制限下で搭乗予定のフライトがキャンセルとなり、第1節のアルゼンチン戦に間に合わないというハプニングにも見舞われている。

10月のW杯予選実施に疑問も

 ペルー代表では、MLSでプレーするDFアレクサンデル・カジェンス、FWエディンソン・フローレスとジョルディ・レイナがそれぞれの所属クラブから渡航許可が下りなかった。

 アメリカが属する北中米カリブ海サッカー連盟ではコロナ禍を理由に今月開催予定だったW杯予選を延期していたため、MLSも10月に試合のスケジュールを設定。南米の予選開幕を前に、各国の協会に宛ててMLSのクラブに所属する選手は基本的に貸し出しできないとする文書を送っていた。

 MLS組の中でも、シアトル・サウンダーズ所属のFWラウル・ルイディアスには渡航許可が与えられたが、頼みのパオロ・ゲレーロが8月に受けた右膝の手術から戦線離脱を余儀なくされているため、フローレスとレイナの欠場は痛い。

 ベネズエラ代表においては、中国スーパーリーグでプレーするチームの歴代得点王サロモン・ロンドンが、所属先の大連プロフェッショナルFCから渡航許可を得ることができなかった。

 ベネズエラ代表におけるロンドンは、アルゼンチン代表のリオネル・メッシ、ウルグアイ代表のルイス・スアレスに匹敵する選手。チームきってのストライカー不在は南米での指導経験が皆無のホセ・ペセイロ新監督にとって大きな打撃だ。

 これについてベネズエラでは重鎮記者エドガルド・ブロネルが「南米でのW杯予選開始にあたってFIFAのインファンティーノ会長は欧州サッカー連盟とは交渉したが、他にも大陸が存在することを考慮していなかった」と厳しい意見を述べている。

 また、著名ジャーナリストのアルフレド・コロニス・アリサルバラガは「苦しいのはベネズエラだけではない。南米の他国の同僚たちからも同じような不都合を聞かされている。この時期に試合を開催するべきではなかった。条件がそろっていない」と語っている。


Photo: Getty Images

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Chizuru de Garcia

1989年からブエノスアイレスに在住。1968年10月31日生まれ。清泉女子大学英語短期課程卒。幼少期から洋画・洋楽を愛し、78年ワールドカップでサッカーに目覚める。大学在学中から南米サッカー関連の情報を寄稿し始めて現在に至る。家族はウルグアイ人の夫と2人の娘。

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