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「10番が多いほど美しい」。「個」>「組織」がアルゼンチン

2018.05.14

至高のチームをWCCFで再現!私のベストイレブン


15周年の節目を迎えたWCCF。醍醐味である国やクラブ、時代を超えた自分だけの“ドリームチーム”作りはもちろんのこと、自分が好きな国やクラブの選手を集めて最高のチームを作る“○○縛り”も楽しみ方の一つとして定着している。その長い歴史の間に積み重ねられてきた百花繚乱のカードを使って、一家言あるフットボリスタ執筆陣が選ぶ最高の○○チームを、ここに再現する。


#4 チヅル・デ・ガルシアさんが選ぶ至高のアルゼンチン代表

 今回の選考にあたり、現実的にチームとして機能するのかどうか悩みに悩んだ末、結局「組織」よりも「個」を優先してしまったのは、まさにアルゼンチンという国の志向の反映と言えよう。特に攻撃陣においては「個」を優先せざるを得ないほど豊富過ぎる人材に恵まれており、この国の代表監督を務めることの難しさをあらためて実感した次第だ。

 フォーメーションも迷ったが、ビエルサ監督時代の[3-4-3]やペケルマン監督時代の[4-4-2]が展開した攻撃力の印象が強く残っているため悩んだが、ここはやはりメッシの才能を最大限に活用し(彼自身「アルゼンチンらしい形」と称している)、マラドーナも好んだ[4-3-3]とした。

 前線には、世界が認める実績を誇る3人を置いた。トップにはバティストゥータ。2016年にメッシに記録を更新されるまで、18年間にわたってアルゼンチン代表の歴代得点王の座に就いていた彼を超える9番は当分現れないだろう。左には1978年W杯優勝メンバーで大会得点王となったケンペス、右にはもはや説明の必要などないメッシ。この2人の破壊力にバティストゥータの決定力が融合すれば恐いものはない。

 恐いもの知らずな前線トリオのポテンシャルを引き出す役目を果たすのが、創造性みなぎる2人の10番、マラドーナとアイマールだ。ともに相手陣内の限られたスペースを効果的に利用できる眼とテクニックを兼ね備えており、華麗なパスワークで攻撃を組み立て、チャンスがあれば突破力抜群の大胆なドリブルでゴール前まで攻め上がる。メッシと一緒に予測不可能なプレーで相手守備陣を大いに困惑させるだろう。

 中盤を安定させるボランチ役には、運動量が豊富で研ぎ澄まされた戦術眼を持つカンビアッソを選んだ。彼のゲームを読み取る能力はユース時代から高く評価されており、タレントぞろいの多彩な攻撃陣を頭脳的に指揮できるのは彼しかいないと判断した。

唯一“タレント不作”なのは…

 守備陣の選考に関しては考え込む必要がなかった。近年の代表における守備の甘さと、名将メノッティ時代に文字通りチームのリーダーとして78年W杯優勝の立役者となった偉大なる主将パサレラの存在、そして2000年代に代表を支えたメンバーの名前がすぐに思い浮かんだからである。ユース代表時代からペケルマンに寵愛されたソリンと、国内で無名のまま欧州に渡り、国際舞台で実力を高めキャリアを築き上げたサネッティによる両SBに、パサレラの再来と謳われた安定感とマーク力、セットプレーにおいて相手ゴール前で脅威となるヘディングを武器とするアジャラ。今この4人に守備を任せることができたらどれだけ安心なことか……と、思わずため息が出てしまう。

 GKは悩みに悩んだ挙げ句、W杯出場回数と前回大会でのプレーを評価してロメロを選出。だがこのポジションは、有り余るほどの才能にあふれるアルゼンチン代表において、ふさわしい人材を欠いているというのが現実だ。全世界的にキーパーが進化し続ける中、この国ではいまだに40年前のW杯で優勝したフィリョルを凌駕する代表クラスの選手が育てられていない事実は深刻である。

 実は、これとは別に「第2案」を思いついた。それはカンビアッソの代わりに、中盤にリケルメを入れるというもの。攻守のバランスが大きく崩れることは承知の上で、アルゼンチンが生んだ天才的10番3人をメッシ、ケンペス、バティストゥータと一緒にプレーさせてみたいという完全な「夢」だ。笑われてもかまわない。かつてペケルマンが語った「1970年W杯でのブラジルのように、10番の選手を可能な限り多く起用したチームほど美しいものはない」という言葉が忘れられないのだ。結果至上主義に傾きがちな今日、リケルメ、アイマール、マラドーナのトリオがそろえば、凡人には到底想像できないファンタジックなプレーを次々と披露してくれるに違いないという妄想に浸るのも、たまにはいいだろう。


■『WCCF』 基本情報

商品名 WORLD CLUB Champion Football 2017-2018
ジャンル スポーツカードゲーム
公式サイト http://www.wccf.jp/


全国のゲームセンター等で絶賛稼働中!


■WCCFで再現!私のベストイレブン
#1 頂点を極めた歴代ラ・ロハ以上!華麗なる”最光”スペイン代表
#2 取られた以上に取ればいい。破壊力なら宇宙一のセレソン
#3 「ポゼッション下手」よさらば。PK戦も心配無用のイングランド


Photo: Getty Images

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WCCFアルゼンチン代表

Profile

Chizuru de Garcia

89年からブエノスアイレスに在住。1968年10月31日生まれ。清泉女子大学英語短期課程卒。幼少期から洋画・洋楽を愛し、78年ワールドカップでサッカーに目覚める。大学在学中から南米サッカー関連の情報を寄稿し始めて現在に至る。家族はウルグアイ人の夫と2人の娘。