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森岡亮太の、1対1になるフリーラン。ボールを持たずに好機を作る

2018.03.16

小クラブから強豪へ。“古典的な10番”の変化と成果

Ryota MORIOKA
森岡亮太

1991.4.12(26歳)180cm/70kg JAPAN
アンデルレヒト|1年目 ※2018年1月30日に移籍

 今季からベルギー1部リーグに参戦した森岡亮太は、サッカースタイルの異なる2つのチームでプレーしている。

 シーズン開幕から1月いっぱいまで、小クラブのベフェレンで24試合に出場し、7ゴール11アシストという圧巻の数字を残した。その優雅なプレースタイルからベルギーでも“古典的な10番”と評された森岡が遺憾なく実力を発揮できたのは、「ボールを持ったらまずは森岡を見ろ」という指示が出ていたほど、彼を生かすためのシステムができていたから。イブラヒマ・セク(現ヘンク)とビクトリアン・アングバン(チェルシーからのレンタル)の中盤の献身ぶりに、森岡は「この2人に(中盤の守備を)任せておいたらボールを奪ってくれるので、僕自身は“奪った後”を常に意識しています」と、高めのポジションで攻め残りすることができた。そしてカウンター時には大きなスペースが広がり、森岡は前を向いて得意のスルーパスで味方を操り続けた。

 1月末に移籍したアンデルレヒトは、最終ラインからしっかり繋ぐポゼッションサッカーを志向しており、森岡のスタイルとも合っている。だが、ビッグクラブ相手に対戦相手は守備的戦術を採用してくるから、アタッキングサードにはスペースがまったくない。2シャドーの一角、もしくはトップ下としてピッチに立つ森岡は、相手ゴールに背を向けてプレーする回数が増えた。稀に、前を向いてボールを持っても創造的なプレーを披露するにはスペースが狭過ぎた。

 そこで促されたのが、プレースタイルの改善である。「森岡システム」ができ上がっていたベフェレンでは、森岡のパスから、味方が相手と“1対1”になる状況が生まれていた。しかし、アンデルレヒトでは、割り切って下がって守る相手にボールを回しても“1対1”の状況は生まれない。この苦境を打破するため、ハイン・ファンハーゼブルック監督は「フリーランで縦に走ることによって、そこで自分が“1対1”になれ。そして、味方からのパスを引き出すんだ」という個人戦術を授けた。

 その成果は、加入後4戦目のムスクロン戦(5-3/2月25日)で2ゴールとなって表れた。

2得点にPK獲得と大活躍のムスクロン戦

 「ベフェレンでは本当に自由にやらせてもらい、どんどんボールに絡んでいました。僕が味方に“1対1”を作ってあげていた。アンデルレヒトでは、僕がもっとゴール前に抜け出して、自分が“1対1”になるシーンを作らないといけない。ボールを持たずにチャンスを作るということです」

 スベン・クムス、アドリアン・トレベル、ピーター・ゲルケンスもまたパサーとして優秀な選手。森岡のフリーランが無駄走りのまま終わることはないだろう。


Photo: Getty Images

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アンデルレヒト日本代表森岡亮太

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中田 徹

メキシコW杯のブラジル対フランスを超える試合を見たい、ボンボネーラの興奮を超える現場へ行きたい……。その気持ちが観戦、取材のモチベーション。どんな試合でも楽しそうにサッカーを見るオランダ人の姿に啓発され、中小クラブの取材にも力を注いでいる。

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