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ロベルト・カルロスが語るクラブ世界一の価値

2016.10.27

世界最強クラブを決める戦い――Alibaba YunOS Autoプレゼンツ FIFAクラブワールドカップジャパン2016が12月8日(木)~18日(日)の11日間にわたって開催される。舞台は今年オープンした大阪の市立吹田サッカースタジアムと、お馴染みの横浜国際総合競技場。6大陸7つの王者が集う大会の魅力を2度の「クラブ世界一」を経験したレアル・マドリードのレジェンド、ロベルト・カルロスに存分に語ってもらった。

“キックオフ前の、凄く待ち遠しいような、でも少し不安なような……あの身震いする感じ。FIFAワールドカップに似ている”

──レアル・マドリードでの今の役割は?

 「大まかに言えば、レアル・マドリードの親善大使であり、組織や体制作りのディレクター、カンテラのアドバイザー、そういうすべてを少しずつやっているよ。監督業はいったん中断という形になっているけど、今はここで続けていくつもりだ。スペインでの生活を続けたいんだ。最高の場所だし、僕の経歴の中で最もうまくいったクラブだから。レアル・マドリードは、僕にすべてを与えてくれた。だから、クラブが僕に与えてくれたすべてに報いたいと思っている」

──今季のチームをどう見ていますか?

 「凄くいいよ。うまくいっている。リーガでは2位につけていて(第7節時点)、ここ数試合は引き分けが続いているけど、変わらずいい試合をしている。雰囲気もいいよ。リーガでは負けないことが大事。開幕から4勝してその後3引き分けだけど、ずっと負けないのが重要なんだ。それを認めない意見もあるけどね。この大会を勝つために必要なこと?ないよ。強いて言えば、監督を代えないことだ。ジダンは良い仕事をしているし、選手は彼が求めることを理解している。そうなれば、すべてがやりやすい。今シーズンはすべてがもっとやりやすくなるはずだ」

──このクラブの強さの秘密は何でしょう?

 「その時代ごとに監督も選手も違うから、一言で説明するのは難しいな。僕がいた時代は、とにかくプレーを楽しんでいた。監督からはもちろん、チームメイトとも互いに学び合い、みんなで成長していった。今ジダンが監督として、再びそういうスピリットを持ち込んでいる。ジダンやベッカムとプレーするのは楽しかったね。それにブラジル代表で兄弟同然だったロナウドとプレーするのも楽しかった。“銀河系軍団”と呼ばれていたけど、プレッシャーなんてなかった。どの試合でも、例えばFIFAクラブワールドカップでも、僕がやることは変わらない。ピッチに入り、いつも通りプレーすること。プロフェッショナリズムを持ち、すべての試合でベストを尽くすことだ」

──あなたはトヨタカップの時代、3大会に出場して2大会で優勝しました。一番の思い出は?

 「日本の人たちの愛情だね。サッカーを愛しているのが伝わってきた。それに僕らレアル・マドリードへの親愛と尊重。それが最高だった。率直に言えば、少し前までヨーロッパのクラブはUEFAチャンピオンズリーグの方により大きな価値を置いているという評判がなかったとは言わない。だけど、今では欧州でもFIFAクラブワールドカップの重要性は増す一方だよ。僕は今でもこの大会でプレーするのが恋しくなる。僕の頃は欧州王者と南米王者が対戦する形式だったけど、あのピッチにもう一度立ちたいと考えることがあるんだ。キックオフ前の、凄く待ち遠しいような、でも少し不安なような……あの身震いする感じ。FIFAワールドカップに似ている。当然だよ。世界一という目標のすぐ近くまで到達して、早くボールを蹴りたいという焦燥感……あれだけ重要な試合の前にそうならなかったら、感情がない人間なんじゃないかな(笑)。この大会を見てくれるサポーターのみんなも、ピッチの中の選手がそれほどの思いでプレーしていると感じてくれたら、一緒に戦い、応援する気持ちもさらに高まるはずだ」

──今大会の見どころは?

 「レアル・マドリードに、また優勝してほしい。いい状態で横浜に行って、勝ってほしいよ。日本のチームにも頑張ってほしい。日本サッカーは戦術面、技術面、フィジカル面のすべてが凄く進歩したからね。例えば、ブラジル代表として96年に日本代表と対戦した時、凄くスピーディーなチームだと思った。でも、技術的なクオリティはそれほどでもなかった。その後、ジーコが代表監督を務めていた時代には技術面の成長を感じたものだ。そして、2013年のFIFAコンフェデレーションズカップの頃には、あとは戦術面がもう少し成長すれば相手を脅かすことができるところまで来た。代表とクラブはもちろん別物だけど、もともと組織プレーを重視したサッカーをしているのだから、そこが成熟すれば日本のクラブがレアル・マドリードと一緒に決勝に進出することだって可能かもしれない。日本サッカーにはすべての可能性がある」

──今大会の注目選手を教えてください。

 「クリスティアーノ・ロナウド。世界で最高の選手だからね。FIFAバロンドールを獲ろうが獲るまいが、僕に言わせれば世界最優秀選手であり続けている。いつでも応援し、注目し、期待している選手だ」

──最後に、日本のファンへのメッセージを。

 「僕も、レアル・マドリードのチームと一緒に日本に行くんだ。いつでも日本にまた戻りたいと願っていた。仕事で行けなかったら、旅行でもいいから行きたいと思っていたほどだ。日本ではレアル・マドリードを大いにサポートしてほしい。スタジアムを満員にしてほしいね。試合の時はスタンドを埋めて、日本の何万人もの、とにかくたくさんの日本のみんなで、僕らを応援してほしい。(日本語で)アリガトウ」

■プロフィール
ROBERTO CARLOS
ロベルト・カルロス

(レアル・マドリード下部組織ディレクター)
1973.4.10(43歳) BRAZIL

サンパウロ州生まれ。パルメイラスで頭角を現し、95年インテルに移籍、翌年レアル・マドリードに加入した。不動の“攻撃的”左SBとして11季で公式戦512試合67得点。リーガ制覇4回、UEFA チャンピオンズリーグ制覇3回など計13タイトルを獲得した。同時期に活躍したブラジル代表では、92 ~06年に125試合に出場(11 得点)、02年FIFAワールドカップで優勝を果たしている。スペインを離れて以降はフェネルバフチェ、コリンチャンスでプレー、アンジでは選手兼監督も経験し、12年に引退を表明。トルコの2クラブを指揮した後、昨年7月からはインドで再び選手兼監督を務めた。迎えた16年、下部組織のスタッフとしてレアル・マドリードに復帰している。

激戦を勝ち抜いた大陸王者たちが日本に集結!
Alibaba YunOS Autoプレゼンツ FIFAクラブワールドカップジャパン2016

2016年12月8日(木)~18日(日)
ローチケにてチケット好評発売中!

その他、詳しい情報は大会公式サイトでご確認ください。

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Profile

藤原 清美

2001年、リオデジャネイロに拠点を移し、スポーツやドキュメンタリー、紀行などの分野で取材活動。特にサッカーではブラジル代表チームや選手の取材で世界中を飛び回り、日本とブラジル両国のTV・執筆等で成果を発表している。W杯6大会取材。著書に『セレソン 人生の勝者たち 「最強集団」から学ぶ15の言葉』(ソル・メディア)『感動!ブラジルサッカー』(講談社現代新書)。YouTube『Planeta Kiyomi』も運営中。