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ジェフ千葉に突如現れた「新エース」小森飛絢。“特別ではないが、何でもできる男”に期待する理由

2023.11.20

【短期集中連載】J1昇格プレーオフのキーマン#1
ジェフユナイテッド千葉編:小森飛絢

明治安田生命J2リーグ第42節が終わり、J1昇格プレーオフ出場クラブが決まった。3位東京ヴェルディ、4位清水エスパルス、5位モンテディオ山形、6位ジェフユナイテッド千葉の4チームだ。トーナメント形式の一発勝負で優勝チームがJ1昇格の権利を手にすることになる。この決戦のキーマンとなるのは誰なのか?

第1回のジェフユナイテッド千葉編では、ルーキーながらチーム最多の13ゴールを記録した小森飛絢をピックアップ!

 チームから外国籍選手がいなくなった。それどころかストライカーとして頭角を現し始めた櫻川ソロモンまで期限付きながら移籍させてしまい、さすがにブラジル人FWぐらい獲得するだろうと思われていたが、実績のある呉屋大翔はともかく大卒ルーキーが来たぐらい。「やれる」という強化部の言葉は強がりにしか聞こえなかったものだ。

 ところが、キャンプの段階から新人FWがどうやら前線の中心になりそうだということが徐々にわかってきた。そして開幕を迎えると、ただのルーキーではないことが判明する。

フタを開けたら完全にエース

 小森飛絢。新潟医療福祉大学在学中に特別指定選手として2試合の出場歴があるが、まったく記憶にない。プレシーズンマッチの仕上げ、柏レイソルとの「ちばぎんカップ」に先発出場。ボールの収まりの良さに目を奪われた。開幕のVファーレン長崎戦でさっそく決勝ゴールをゲットする。続くモンテディオ山形戦でも先制点。ザスパクサツ群馬戦の1ゴールで3試合連続得点。フタを開けたら完全にエースだった。

 その後も試合を重ねるごとに小森の存在感は増す。単に得点を取れるだけの選手でないこともわかってきた。後半戦に驚異的な巻き返しを見せたチームの中で、小森は不可欠なピースになっている。

 印象的だったボールタッチの良さは大きな武器だ。ロングボールを追って疾走しながら、浮き球をすっと収めてしまう。確かに体の強さやバランスの良さもあるのだが、ボールとの親和性が高い。小森の収める能力は、後方でパスをつなぎながら一発で裏を狙う千葉のビルドアップにおいて重要な役割を果たしている。

 相手CBと競りながらキープする能力も効いている。こちらはボールタッチそのものよりも、相手との関係を把握して的確にボールを隠す、逃がすといった置き所の判断が優れている。かつてイングランドのボビー・ロブソン監督がマルコ・ファン・バステンについて「ボールの置き方が上手い」と評していたが、小森にもそうしたセンスの良さが感じられる。

 得点の仕方が多彩。右足、左足、頭でもシュートを狙える。ドリブルで外す、クロスボールに飛び込む、ボレーも上手い。……

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ジェフユナイテッド千葉小森飛絢

Profile

西部 謙司

1962年9月27日、東京都生まれ。早稲田大学教育学部卒業後、会社員を経て、学研『ストライカー』の編集部勤務。95~98年にフランスのパリに住み、欧州サッカーを取材。02年にフリーランスとなる。『戦術リストランテV サッカーの解釈を変える最先端の戦術用語』(小社刊)が発売中。

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