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『ミスターレイソル』の後継者へ。柏レイソルの新キャプテン・古賀太陽に備わる覚悟

2023.02.07

柏レイソルにも変革の時が訪れている。2008年からキャプテンを務めてきた“ミスターレイソル”、大谷秀和が現役を退いてトップチームのコーチに就任。彼が担ってきた重責は、クラブ生え抜きの古賀太陽へと引き継がれた。ただ、彼はもう数年前から、その未来を予感していたかのように振る舞っていた節もある。そんな新キャプテンの覚悟を、『柏フットボールジャーナル』を主宰する鈴木潤が代弁する。

イレギュラーな形で明らかになったキャプテン就任

 2008年から15年間に渡って柏レイソルのキャプテンを務めてきた大谷秀和が昨シーズン限りで現役を引退し、今年からトップチームのコーチに就任した。その大谷から腕章を引き継ぐ形で今シーズンからキャプテンを務めるのは古賀太陽である。
 
 1月14日、新体制発表会見の場に登壇した古賀は、新キャプテン就任の抱負を述べた。

 「大谷選手の存在はすごく大きかったです。今すぐそういう存在になるというのは簡単ではないけど、自分もレイソルを代表する選手になっていけるように、パフォーマンスも含めて向上していくことを意識してやっていきたい。今年のチームはかなり若いので、自分はもう中堅の立場になりますし、上と下をつなぐような存在になれるように、日頃の練習から意識していきたいと思います」

 この新体制発表会見で、記者からの「いつ監督からキャプテンを言い渡されたのか?」という問いに対し、古賀はやや困った表情を見せながら「実は直接言われたわけではなくて……さっきスタッフから(キャプテンマークを)渡されました」と答え、会見会場では笑いが起こった。

 補足的にこの流れを詳しく説明すると、スタッフが事前にネルシーニョ監督に今年のキャプテンを聞き、「太陽だ」という返答を受けてのものであるため、古賀の新キャプテン就任に関しては間違いない。ただ、冒頭でも述べたとおり、過去15年間、柏には大谷という誰しもが認めるキャプテンがいた。さらにネルシーニョ監督体制下では、これまでもシーズンの始動時に改めてキャプテンを任命するということはなく、開幕前のちばぎんカップの試合前に、ネルシーニョ監督が指名した選手(大谷)のロッカーにキャプテンマークが置かれ、それが柏ではある種キャプテン就任のルーティンとなっていた。つまり本来ならば、古賀のキャプテン就任は2月12日のちばぎんカップで正式に明らかになるところ、今年に限ってはイレギュラーが発生したわけである。

“23歳”という偶然の一致

 古賀はジュニアから柏のアカデミーで育った生え抜きで、プロ7年目の今年、柏の在籍期間はチーム内最長になる。2021年から大谷不在時にはゲームキャプテンを務めていたことからも、今回のキャプテン就任は必然の流れだった。

 2021年、柏は下位に沈み、残留争いの渦中にあった。結果の出ない日々が続き、チームの雰囲気も決して良好とは言えない。負傷で長期離脱中の大谷に代わり、ゲームキャプテンを務めていた古賀はチームをどうまとめたらいいのか、頭を悩ませていた。しかも古賀のポジションはDFである。キャプテンマークを巻いているとはいえ、自分が失点に絡んだ直後にチームを鼓舞したり、味方選手に「切り替えろ」と促していいものなのか、苦しんでいた。のちに古賀は「メンタル的に一番きつかった時期」と当時を振り返っている。
 
 そんな時、古賀に声をかけたのが大谷だった。……

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古賀太陽柏レイソル

Profile

鈴木 潤

2002年のフリーライター転身後、03年から柏レイソルと国内育成年代の取材を開始。サッカー専門誌を中心に寄稿する傍ら、現在は柏レイソルのオフィシャル刊行物の執筆も手がける。14年には自身の責任編集によるウェブマガジン『柏フットボールジャーナル』を立ち上げ、日々の取材で得た情報を発信中。酒井宏樹選手の著書『リセットする力』(KADOKAWA)編集協力。

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