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優勝懸かる横浜FM対浦和は膠着した展開の可能性。名古屋対FC東京はあえて展開予想と逆のスコアに!? ミシャ式を知るチーム対決の軍配は? J1リーグ第33節プレビュー

2022.10.28

ついに残すところあと2節、クライマックスに向け熱気を帯びる1リーグ。どの試合も見逃せない1第33節の中から今回は3試合をピックアップし、戦術に明るい西部謙司さんに展開とスコアを予想してもらった。予想の参考にしてもらい、ぜひスポーツくじ『WINNER』にトライしてみてほしい。

※記事の一部を修正しました

1リーグ】横浜F・マリノス×浦和レッズ 予想:1-1

 ボール保持+ハイプレスの循環を目指す同型戦術の対戦となるが、浦和はプレス開始地点がやや低く、ハーフウェイラインあたりからのミドルゾーンからのプレスを基調としているという点に違いがある。そのため、ボール保持率は横浜F・マリノスの方が高くなり、見た目には優勢な試合なるだろう。

 ここからどちらに流れが傾くかはわからない。浦和は好調の大久保智明、ダビド・モーベルグ、関根貴大などカウンターアタックに威力を発揮するFWがいるので、押されているからといって必ずしも不利とは限らない。

 一方、横浜FMはプレースタイルの構造上カウンターされた場合に弱点があるのだが、浦和が引いて構えていることで、彼ら自身の攻め込みのスピードが抑えられる。それが逆に、被カウンターのリスクを軽減させるのではないか。持ち味の俊足ウイングを生かす攻めは限定されるが、その分ボールを失った時に全体が間延びしてしまうリスクは避けられるので、浦和にカウンターされる危険もそれだけ低くなるわけだ。

 つまり、横浜FMが優勢なまま試合が膠着する可能性がある。そうなると互いに自分たちのベストな状態ではなくどちらも相手の隙をうかがう展開になり、ミスをした方が負けるという種類のゲームになる。打ち合いになれば総合力で上回る横浜FMが勝つと思うが、膠着を予想してドローとしてみた。

J1第11節の対戦では横浜FMが30分までに3点をリードするも、後半に反撃した浦和が土壇場で追いつき3-3という打ち合いとなった。今回は、優勝争いを演じている横浜FMのアプローチをどう予想するかがポイントになりそうだ

1リーグ】名古屋グランパス×FC東京 予想:1-0

 名古屋が堅守速攻型であることから、FC東京がボールを保持して攻め込む展開になるだろう。その場合、名古屋が自陣からビルドアップができるかが1つの指標になる。そこで簡単にボールを失ってしまうようであれば、名古屋の攻撃は偶発的なカウンターや相手のミスに依存することになってしまい、FC東京が勝つ確率は上がると考えられる。

 名古屋がFC東京のプレスを外せるのであれば、マテウス・カストロ、永井謙佑、相馬勇紀がカウンターでスピードと突破力を発揮する機会が多くなり、FC東京の守備陣は持ちこたえられなくなりそうだ。

 このポイントに関して、名古屋のビルドアップはうまくいかないのではないかと予想する。ただし、名古屋の守備は非常に固いので、アダイウトンらを擁するFC東京も簡単に得点できるとは思われない。

 そうなるとFC東京がやや有利だろうという予想になるわけだが、ここはあえて逆のスコアにしてみた。偶発的なカウンターやミスを突いた名古屋が得点して勝つのではないかという見立てである。偶然もサッカーの一部であり、それをモノにできるかどうかも大きな要素であり無視できないと思う。マテウスの個の力が試合を決めるのではないか。

前回J1第2節はスコアレス。今回も1点を争うゲームとなるのだろうか

1リーグ】サンフレッチェ広島×コンサドーレ札幌 予想:1-3

 今季、ミヒャエル・スキッベ監督を迎えた広島はハイプレス+縦に速い攻め込みを軸に戦い方を整理し、天皇杯とルヴァンカップのファイナルに進出。ルヴァンカップを獲得した。本来はさほど重視しないはずのボールポゼッションを増やすことで攻め込む流れを作り、それによって陣形をコンパクトにして意図しているハイプレスとショートカウンターを機能させている。札幌もマンツーマンによるハイプレスのチームなので、このカードはハイプレス対決になる。

 ここで考慮しなければならないのは、広島が天皇杯、ルヴァンカップと2週続けてファイナルを戦っていることだ。さすがに疲労感はあると思う。

 札幌のハイプレスはマンツーマンなので、捕まえ切ってしまえば強度としては最高だ。基本的に前方または周辺にいる選手をマークするのでDFラインが相手のアタッカーと同数になることもしばしばで、そのリスクを負っているために失点しやすい弱点がある。メンバー構成は極めて攻撃型。フィールドプレーヤーのほぼ全員にMF適性がある。つまり攻撃するためのプレースタイルであり、そのためにリスクを負っている。

 現在の順位からしても広島が有利なはずだが、もしコンディションに問題があるなら札幌に圧倒されても不思議ではない。札幌のマンマークにビルドアップが行き詰まり、ポジションに関係なく流動的に攻撃してくる札幌の勢いに対応ができなくなれば、一方的に札幌がペースを握る展開になる。

 ルヴァンカップ決勝で2ゴールのピエロス・ソティリウが札幌の弱点を突いたカウンターから得点を重ねる形も想像できるが、予想としてはコンディションで札幌が上回り攻撃力が爆発する方にしてみた。

札幌ホームだったリーグ前半戦の対戦(J1第2節)は1-1のドロー。ルヴァンカップのプレーオフでも顔を合わせておりその時は広島の1勝1分となっているが、果たして

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※この記事は『日本スポーツ振興センター』の提供でお届けします。本記事は日本スポーツ振興センターから委託を受けて制作しており、日本スポーツ振興センターが内容の信憑性を保証するものではございません。

Photo: Getty Images

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Profile

西部 謙司

1962年9月27日、東京都生まれ。早稲田大学教育学部卒業後、会社員を経て、学研『ストライカー』の編集部勤務。95~98年にフランスのパリに住み、欧州サッカーを取材。02年にフリーランスとなる。『戦術リストランテV サッカーの解釈を変える最先端の戦術用語』(小社刊)が発売中。

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