プロ2年目。アカデミー育ちのボランチが、明治安田J1百年構想リーグを戦う2026年のFC東京で、存在感を放ち続けている。常盤亨太。雌伏のルーキーイヤーを経て、ブレイクの予感を漂わせている23歳は、どうやって序列を覆すまでに至ったのか。試合に出ることで得られている経験、大ベテランから学んでいるもの、9年ぶりとなる旧友との思わぬ“再会”なども含めて、本人が今感じているリアルな心情を聞いた。
まるでそれはなかなかハマらなかったジグソーパズルのピースが、次々とあるべきところに収まっていくような、不思議な感覚だったという。でも、その時が来たのは決して偶然じゃない。コツコツと、地道に、必要なピースを拾い集めてきたからこそ、それが適切な形でハマり出したのだ。
「去年は試合になかなか絡めなかったですし、練習でも良いプレーができなかったですけど、自分のことは自分が一番わかっているわけで、『自分にだけは嘘をついちゃいけない』と思っていたので、そこで楽な道に逃げなかったことが今年に繋がっているのかなと思っています」
開幕戦から一貫してスタメン起用されている、FC東京の闘争系ボランチ。常盤亨太がピッチの上で放つ存在感は、試合を追うごとに新たな彩りを纏いながら、今まで以上にキラキラと輝き始めている。

苦闘のルーキーイヤー。「考えて、考え過ぎて、逆に身体が動かなくなって……」
「『難しい』という言葉で片づけていいのかわからないですけど、本当に難しい1年でした」。常盤はルーキーイヤーとなった2025年シーズンをそんな言葉で振り返る。FC東京のアカデミーで育ち、明治大での4年間を経て、再び青赤のクラブへと帰還したものの、飛び込んだプロの世界の壁は想像以上に高かった。
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リーグ戦の出場は7試合。ようやく8月末のJ1第28節・名古屋グランパス戦で初先発を飾ったが、翌節から3か月近くメンバー外の時期が続く。
「監督からは攻撃面での成長を求められていた中で、攻撃の部分がうまく行かないと、自分の特徴だったはずの守備でも力を発揮できなくて、『何が悪いんだろう……』と考えて、考えて、考え過ぎて、逆に身体が動かなくなって……。そういう負の連鎖というか、悪循環に陥りました。そこを抜け出したくても、試合に出られないので自信も取り戻せないですし、なかなか自分を立て直せなかったなと思います」
サッカー選手としての自信を失いつつあった苦闘の日々。それでも、試合に出られないのなら、とにかく自分の成長に目を向け続けるしかない。通常のトレーニング以外にも“朝練”や“二部練”を志願し、ひたすら『止めて、蹴る』を繰り返すことで、繊細な感覚を研ぎ澄ませていく。
「なかなか状況を立て直せなかった中でも、『自分には負けない』というメンタリティはずっと持っていたので、何があってもやり続けようと思っていましたし、誰かが見てくれているという考えはほとんどなくて、自分自身がどれだけ成長できるかを意識しながら、とにかく練習していました」
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2025シーズンの最終戦に向けて、チームにかかわる全員で気持ちを高めてトレーニング💪味の素スタジアムでともに戦いましょう!!🤝#佐藤恵允 #常盤亨太 #野澤零温 #エンリケトレヴィザン#BigThankYouDay#fctokyo #tokyo pic.twitter.com/ZDcfupOvL9
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突然開けた視界。そして、開幕戦のスタメン抜擢へ
勝負の2026年シーズン。キャンプに入ってからも、常盤は自身の立ち位置がほとんど変わっていない空気を感じていたという。「実際に監督がどう思っていたのかはわからないですけど、去年からの継続で“ベンチに入れないぐらい”のところかなって。練習試合でも1試合目が2本目の出場で、2試合目はもともと3本目だったので、『今年も難しい立ち位置だな』とは感じていました」。
キャンプ初の練習試合。2本目に出場した常盤は、いつもと違う感覚が自分の中に湧き上がっていることに気づく。「自分が自主練でやってきたことと、試合の中での感覚がマッチした瞬間に、『ここでボールを受けて、ここに置けば前に出せるな』『ここでこう動けば、こういう形で展開できるな』ということが、いきなり見えてきたんです」。
ずっと見ていたら兄弟に見えてきました🤝😂🔵🔴#木本恭生 #常盤亨太 #fctokyo #tokyo pic.twitter.com/JXtgKNZftI
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Profile
土屋 雅史
1979年8月18日生まれ。群馬県出身。群馬県立高崎高校3年時には全国総体でベスト8に入り、大会優秀選手に選出。2003年に株式会社ジェイ・スカイ・スポーツ(現ジェイ・スポーツ)へ入社。学生時代からヘビーな視聴者だった「Foot!」ではAD、ディレクター、プロデューサーとすべてを経験。2021年からフリーランスとして活動中。昔は現場、TV中継含めて年間1000試合ぐらい見ていたこともありました。サッカー大好き!
