SPECIAL

古橋亨梧のここを見ろ!「エリア内での駆け引き」と「横方向のラン」がセルティックで光る

2021.08.29

8月下旬のEL予選プレーオフではAZ(オランダ)を2戦合計3-2で下し、本戦進出を決めたスコットランドの名門セルティック。その両試合で先制点を挙げた他、国内リーグでも本拠地デビュー戦でハットトリックを達成するなど、ここまで公式戦8試合で7ゴールを量産しているのが、7月にヴィッセル神戸から加入した26歳のFW古橋亨梧だ。今季から指揮を執るアンジェ・ポステコグルー(横浜F・マリノス前監督)のチームで早くもエースとして躍動する日本代表のプレーぶりを、スコットランドで大学院生時代を過ごし、同国のサッカーにも精通する結城康平さんに解説してもらった。日本時間の今晩、8月29日の20時から行われるレンジャーズとの「オールドファーム」がいつにも増して楽しみである。

 「我われが獲得した古橋は、自分の仕事をする」

 セルティック・パークを緑に染める観客たちは、すでにヴィッセル神戸からやってきた古橋亨梧の虜(とりこ)になっている。かつて中村俊輔の伝説的なプレーを経験した彼らは日本人選手にポジティブな印象を持っており、加入早々ゴールを量産する古橋に対しては、1997〜2004年にセルティックで公式戦313試合242得点を記録した元スウェーデン代表のレジェンド、ヘンリク・ラーションと比較する声も少なくない。

 新監督に就任したアンジェ・ポステコグルーや、イスラエル代表の若きMFリエル・アバダらとともに今夏チームに加入した古橋は、サポーターの歌うチャントでも「自らの仕事をする」選手だと称えられている。実際に古橋は、日本人選手の中でも有数の「ボールを受けるスキル」に強みを持つFWだ。ヴィッセル時代にはアンドレス・イニエスタとのプレーで選手として成長した26歳は、スコットランドでも鮮烈なパフォーマンスでスタジアムを沸かせている。今回は、そんな古橋の強みについて分析していこう。

ポステコグルーの下、守備アクションでも貢献大

……

残り:3,194文字/全文:3,999文字 この記事の続きは
footballista MEMBERSHIP
に会員登録すると
お読みいただけます

TAG

アンジェ・ポステコグルーセルティック古橋亨梧

Profile

結城 康平

1990年生まれ、宮崎県出身。ライターとして複数の媒体に記事を寄稿しつつ、サッカー観戦を面白くするためのアイディアを練りながら日々を過ごしている。好きなバンドは、エジンバラ出身のBlue Rose Code。

RANKING