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チャンスを掴む確かな握力。川崎の山根視来が日本代表へ生き残る理由

2021.08.27

8月26日、これまで「1チーム2カテゴリー」というコンセプトで活動してきた日本代表は、東京五輪終幕を受けて2つのカテゴリーを統合。最終予選を戦う日本代表のベストオーダーを編成した。これまでの常連選手と新進気鋭の若手が顔を揃えるリストに、今年初めて代表を経験した27歳の名前も“生き残った”。山根視来。最強・川崎フロンターレの右SBである。

好機を逃さぬその資質

 幸運が目の前にやってきても、掴み取るだけの力の蓄えがなければ、それはただの偶然に終わってしまう。

 山根視来は「ここぞ」というチャンスを逃さない男だった。大学4年生時に迎えた天皇杯2回戦、湘南ベルマーレとの試合がそうだった。当時J1 チームを相手にゴールを記録。激闘の末に敗れはしたものの、そこで見せたハイパフォーマンスが結果的に湘南への加入へと繋がった。

 湘南では2年目のキャンプで右のCBにコンバートされると、初の練習試合で指揮官に「パーフェクトだった」と称賛されるパフォーマンスを披露してレギュラーポジションを奪取。誤審騒動が大きく取り沙汰された2019年の浦和戦では、DFながら後半のアディショナルタイムに逆境を跳ね返すゴールを決めて強烈なインパクトを残した。

2019シーズンのJ1第12節、浦和対湘南のハイライト動画。山根の劇的決勝弾は6:20から

 川崎フロンターレに移籍を果たした昨季は、様々な思いを胸に挑んだ最初の古巣戦で恩返し弾。「絶対に負けたくないし、自分が変わったところを見せなければ」と語っていた試合で得点を決め、流石の勝負強さを感じさせた。

 3月25日に開催された親善試合・日韓戦。プロ6年目にしてたどり着いた初の檜舞台でも、山根はチャンスを逃さなかった。立ち上がりから積極的な攻撃参加で前線を伺うと、前半17分にペナルティエリア内まで進入して右足を一閃。“超攻撃的サイドバック”と称される普段通りのプレーでゴールを奪って見せた。

 「呼ばれたからこそ、結果を残さなければならない」

 そう意気込んだ代表デビュー戦で求めていた「結果」を得られたことは、6月の代表戦、そして今回のW杯アジアW杯最終予選のメンバー選出へと繋がっている。

点が取れてドリブルもできる異質なサイドバックへ

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山根視来川崎フロンターレ日本代表

Profile

林 遼平

1987年生まれ、埼玉県出身。2012年のロンドン五輪を現地で観戦したことで、よりスポーツの奥深さにハマることに。帰国後、サッカー専門新聞『エル・ゴラッソ』の川崎フロンターレ、湘南ベルマーレ、東京ヴェルディ担当を歴任。現在はフリーランスとして『Number Web』や『GOAL』などに寄稿している。