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「アグレッシブ」の功と罪。ユナイテッド好調の要因と課題を探る

2021.02.14

王者リバプールをはじめロンドン勢のチェルシー、トッテナム、アーセナルらビッグクラブが苦しむ中、一時はリーグ首位に立つなど勝ち点を重ねてきたマンチェスター・ユナイテッド。昨季と比較した今季の変化、好調の要因と現状の課題を明らかにする。

 今季のマンチェスター・ユナイテッドは第23節終了時点で勝ち点46の2位。年明けには一度首位に立つなど、アレックス・ファーガソン退任以降で最も充実したリーグ戦を送っていると言えるだろう。事実、年明け以降の首位はファーガソン政権ラストイヤー以来初。では、ユナイテッドはなぜここまで成績を残すことができているのだろうか。

 ユナイテッドの最大の強み、より正確に言うとオーレ・グンナー・スールシャール監督が最大の武器だと考えているのは、マーカス・ラッシュフォード、アントニー・マルシャル、メイソン・グリーンウッドらのスピードであり、決定力の部分であろう。カウンターでの攻撃を採用しているのは、 それらを生かすためである。

 より突っ込んで言えば、彼らにはまだまだ未成熟な部分があるものの、成長することを信じて重用している節がスールシャールにはある。昨シーズン末はラッシュフォード、今シーズンはマルシャルが大きくコンディションを落としたものの、継続的に起用され続けているのはその信頼の証だ。

 特にラッシュフォードに関しては、世界でも最高峰の加速力とトップスピードを持ち、一瞬の振りで強烈なキックを蹴れることから、最も重要な選手として扱われている。おそらく理想形は、ラッシュフォード本人も憧れているクリスティアーノ・ロナウドなのだろう。

今季ここまで、ブルーノ・フェルナンデスに次ぐ公式戦16ゴールをマーク。チームのエースとなっているラッシュフォード

 そんなスピードスターたちをうまく生かすために、スピードを殺さない絶妙なタイミングでスルーパスを供給可能なブルーノ・フェルナンデスをチームの中心に据え、縦に速いサッカーで得点を量産してきた。

昨季との違い

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マンチェスター・ユナイテッド

Profile

内藤 秀明

1990年生まれ。大阪府箕面市出身。大学時代に1年間イギリスに留学し、FAコーチングライセンスを取得。現在はプレミアリーグを語るコミュニティ「プレミアパブ」代表としてイベントの企画運営や司会をしつつ、マンチェスターユナイテッド・サポーターズクラブジャパン会長としても活動。2019年1月に初の著書『ようこそ!プレミアパブ』上梓。Twitterアカウント:@nikutohide ウェブサイト:https://premierleaguepub.jp/